ソーダ・石灰・ケイ酸ガラスびん内のアルコール溶液における固相の生成
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概要
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アルコール溶液によるソーダ・石灰・ケイ酸ガラスびんの侵食とそれに伴う反応生成物について検討するため, 中性ないし微弱なアルカリ性の水及び33%エチルアルコール溶液をガラスびんに満たし, エチルアルコールの沸点以下の温度に加熱して, ガラスからそれぞれの内容液中に溶出したNa, Ca, Siイオンを定量し, 固相の生成状態の観察を行って, 次の実験結果を得た.(1) アルコール溶液中に溶出した各ガラス成分の量は, いずれも水の場合に比べて少なく, ガラスに対する水の侵食作用はアルコールの添加によって弱くなった.(2) アルコール溶液では, 微細な固相の析出に基づく沈殿物や白濁が生じやすかった. これは, ガラスと水との反応生成物であるカルシウムケイ酸塩の溶解度が, アルコール溶液においては著しく低下するためと考えられる.(3) アルコール溶液でガラス細片状のフレークス (Spicules) が発生しやすいという傾向は認められなかった.
- 社団法人日本セラミックス協会の論文
- 1980-05-01
著者
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