体積ひずみによる粉粒体の流動学的性質の測定
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概要
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外力による粉粒体層の変形はせん断変形だけでなく、体積変形を伴う場合もきわめて多い.従来、体積変形の測定には圧縮試験あるいはタップ充てんなどの静的方法が用いられてきた.しかし、それらの方法では粉体の動的状態、たとえば振動下での粉体の挙動、特性を調べるには適さない.このような観点から粉体の静的ならびに動的特性をはかる一方法として粉体充てん層に空気を流通させ流動化する直前までの粉体層の見掛け体積変化(体積ひずみ)およびひずみ速度を測定した.豊浦標準砂、相馬ケイ砂、アルミニウム粉末などを試料として用いた.比較的長時間にわたり一定の空気圧(p+dp)を加えた後、再び圧力を下げた場合(静的測定)、粉体層は急激な層高変化の後きわめてわずかな変化を続け、除圧時には急激に収縮し、しかも完全に元に復することはなかった.縦軸に体積ひずみΔV/V、横軸にdp/L(L : 粉体高層)を点描すると降伏値の存在することが明らかになった.このようなことから供試粉体試料は静的外力に対し塑弾性的な挙動を示すといえる.次に粉粒体層に0.3〜2.0c/sのく形波状外力を加えたところ、粉体高層は外力の周期と同周期で増減を繰り返しながらしだいに増減の振幅が小さくなっていった.この変形曲線の波の最大値を時間に対し両対数点描すると加圧の初期を除きlogΔV/V対log tの関係は右上がりの直線で表され、見掛け上Nuttingの式に合うことがわかった.
- 1969-06-15
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