3Y-TZPの超塑性変形に伴う相変態及びドメインスイッチング挙動

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構造用セラミックスの中でも,正方晶ジルコニア多結晶体は室温において高靭性でかつ高強度,高耐摩耗性を示すため,広く用いられてきている.この正方晶ジルコニア多結晶体において超塑性の発現が報告されて以来,セラミックスの塑性加工への超塑性の応用が現在大変注目されている.正方晶ジルコニアの超塑性変形中では,粒界すべり,拡散クリープ及びキャビテーションが生じることが報告されている.一方,正方晶ジルコニアの機械的性質に応力誘起相変態は大きく関係している.例えば,室温付近では応力誘起正方晶(t)→単斜晶(m)マルチンサイト変態がクラック先端近傍において生じ,クラックの進展を抑制することで靭性を向上させている.ジルコニアにおける`相は粒径を微細化して安定化させているが,超塑性変形に起因する結晶成長や空隙の発生は粒界の拘束力を弱め,t→m変態を生じさせる可能性もあると考えられる.また,結晶に応力が加えられると正方晶のa軸とc軸の交換が起こるドメインスイッチングは外部応力やひずみを緩和して機械的強度の向上に寄与する.しかし,超塑性変形に起因するt→m変態,t相の強弾性ドメインスイッチングなどに関しては,著者らが知るかぎりでまだほとんど報告されていない.本研究では,X線回折法を用いて,3mol%Y_2O_3を固溶した正方晶ジルコニア多結晶体(3Y-TZP)における相変態及び強弾性ドメインスイッチング挙動に及ぼす超塑性変形の影響について調べた.
社団法人日本セラミックス協会の論文
2003-09-01

3Y-TZPの超塑性変形に伴う相変態及びドメインスイッチング挙動

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