胎盤性血液凝固阻止物質の分離と精製
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概要
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胎盤には,組織トロンボプラスチン,第??因子様物質,線溶阻止物質などが多く含まれ,胎盤は血栓好発的な臓器である.しかし,一方では抗血栓的な機序も存在し,胎盤循環維持に関与している.本研究は胎盤の血液凝固阻止能をもつ物質の存在,精製を目的として検討され,次の結果を得た.1)組織トロンボプラスチン活性を除いた胎盤組織から,凝固抑制物質を分離,精製した.2)本物質は,分子量は約45,000の蛋白質である.3)既知の抗凝固物質であるヘパリン,AT-?やα_2-AT,α_2-M,C_1-INAとは異質のものであった.4)線溶,線溶阻止能,血小板凝集抑制能は認めなかった.5)血液凝固反応の内因系,外因系ともに抑制する活性があった.本物質は胎盤循環動態に重要な意義をもつものと考えられる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1984-12-01
著者
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