Proteinase Inhibitorsによるマウス遅延着床胚のDevlopmental Ability

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Proteinase inhibitorsを用いたマウス胞胚の着床阻害時におけるDNA合成能・蛋白合成能および細胞増殖能につき検討した.I.細胞数(C.N.)およびmitotic index(M.I.)をp nitrophenol p'guanidino benzoate(NPGB):soybean trypsin inhibltor(STI)法とagarose coating法の二者により比較した結果,NPGB:STI法では8日目でplateau(C.N.,ave.189.3)となり,9日目以降に減少(C.N.,ave.169.3)した.また,M.I.は培養120hrs.後は認められたかった.これに対しagarosecoating法では9日目(C.N.,ave.162.8)でplateauに達し,10日目以降(C.N.,138.3)に減少した.またM.I.は培養直後より9日目迄減少傾向を示し,10日目以降は全く認められたかった.II.tritiatedthymidine(〔3H〕TdR)によるautoradiographyで遅延胚のDNA合成能を測定した結果,培養開始直後(4日目胚)で54±8/embryo(83±7%)の取込率が認められたが,7日目45±3(31±5%),9日目46±4(28土4%)と減少し,14日目36±5(24±1%)と1/3以下の取込率であった.III.蛋白合成能につき遅延胚,正常着床胚の比較検討を行った.遅延胚の合成能は8日目迄は直線的に増加(2.5±o.3pmol/embryo/hr.)し,対照群と比較して有意差を認めなかったが,9日目以降減少(1.6±0.4pmol/embryo/hr.)し,11日目には0.6±0.3pmol/embryo/hr.となり,有意差(p<0.01,χ^2 test,n=5)を認めた.IV.合成蛋白のqualitativeな変化をsodium dodecyl sulfate(SDS),polyacrylamide gel electro phoresis(PAGE)法の一次元(1-D),二次元(2-D)展開を行い検討した.1-Dでは分子量(M.W.)は1x10^4〜1×10^5daltonsに各bandは分布し,遅延胚,正常着床胚共に約110のbandが認められたが,両者の各band間にqualitativeな差を認めなかった.更に2-D展開を行ったところ,各bandはそれぞれ約300のpolypeptidesに分離した.trophoblast specific spotsは正常着床胚で著明に認められるのに対して,遅延胚では減少していた.ICM specific spotsは正常胚,遅延胚共versatileであり,一定の傾向は認められなかった.以上の結果,NPGB:STI法による遅延胚はICMにおける蛋白合成能がsuppressされるものとsta bleたものがある事からmetabolicにcomplete dormantな状態と考えるよりも,trophoblastの蛋白合成系をselectiveにsuppressする事によるdelayと考えられる.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1984-08-01

Proteinase Inhibitorsによるマウス遅延着床胚のDevlopmental Ability

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