ヒトの体外受精と配偶子の成熟度の相関に関する検討
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概要
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ヒトIVF成績を配偶子の成熟度からとらえ,各種成熟誘起操作法による受精率および受精に関するパラメーターの差を比較検討した,卵巣卵は採卵時点で成熟卵子と未熟卵子に分類し,未熟卵子は成熟培養を行い,GVBDまたはFPB放出を認めたものを体外培養成熟卵子(IMIV)とし,それぞれ媒精を行った.精子は精液採取後,凍結保存し,媒精時に解凍して,受精能誘起操作を行った.この結果,精子に対する各受精能誘起操作法による先体反応率(AR)および運動率(MR)は操作後各2,6hrsでは,AR:？重層法,11±7,39±21,？遠心洗滌法,15±10,61±34,？Tr.処理遠心洗滌法,26±12,84±40,？Ficol1遠心洗滌法,28±15,68±41,MR:？94±35,91±48,？86±27,81±32,？87±44,83±30,？83±29,87±37であった.各受精能誘起操作後,最終精子浮遊液中の残存精漿蛋白濃度は,？66±10.0μg,？30±8.3μg,？8±2.1μg,？5±3.4μgであった.各受精能誘起操作による精子を用いたハムスターテストでは,精子侵入卵の割合いは,？89.5±11%,？88.6±7%,？95.7±16%,？90.9±12%であり,精子侵入卵あたりの膨化精子頭部は,？3.6±0.7,？2.5±0.6,？9.5±1.5,？6.6±2.6であった.次にヒト成熟卵での各誘起操作法による受精率の差は,？14/21(66.7%),？11/18(61.1%),？27/39(69.2%),？17/25(68.0%)であり,分割率は,？10/21(47.6%),？8/18(44.4%),？20/3g(51.3%),？12/25(48.0%)であった.この結果,？群精子による,成熟卵子およびIMIV卵を用いたIVF成績は,受精率:？Preovulatory,27/39(69.2%),？a.IMIV-GVBD,21/40(52.5%),？b.IMIV-FPB,22/34(64.7%),分割率:？20/39(51,3%),？a.5/40(12.5%),？b.4/34(11.8%)であった.この結果,精子受精能誘起操作法はTr.処理遠心洗滌法がIVFに効果的であり,AR率が高い程,受精率,分割率が高値であった.IMIV卵は受精能力に比して,分割率が低率であり,卵実質の未熟性が示唆された.
- 1985-02-01
著者
-
久保 春海
東邦大学医学部第1産科婦人科学教室
-
片山 進
東邦大学第一産婦人科学教室
-
久保 春海
東邦大学第1
-
安部 裕司
東邦大学 医学部 第1産科婦人科学 教室
-
安部 裕司
キネマアートクリニック
-
林 鴻程
東邦大学医学部第1産婦人科学教室
-
安部 裕司
東邦大学第1産科婦人科学教室
-
片山 進
東邦大
-
林 鴻程
東邦大学第1産婦人科学教室
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