癌性腹水生成における線溶系の意義 : 線溶活性化因子による線溶冗進と腹水貯留
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概要
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癌性腹水中の線溶元進機序を検討するため、MM2細胞(MAT)、マウス腹膜、及びウシplasminogen(plg)を種々の組合せで培養を行い、以下の結果を得た。(1)medium中のplasmin活性は、特に、MM_2細胞と腹膜、及びplgを組合せて培養した糸でのみ、極めて高い値を示した。(2)MM_2細胞培養上清の限外濾過液及び濃縮液を、腹膜とplgを含むmediumに添加すると限外濾液を添加した系の方が10倍高いplasmin活性を示した。(3)MM_2細胞培養上清の限外濾液をそれぞれ、石油エーテル、エーテル、ヘキサソで抽出し、その抽出物を再び、腹膜とplgを含むmediumに添加すると、ヘキサソ、石油エーテル抽出物を添加培養した系のplasmin活性は、エーテル抽出物のそれより高値を示した。以上の結果からMM_2細胞は、低分子の極性の低い脂溶性の線溶活性化因子(inducer of plasminogen activator、IPA)を産生する。このIPAによつて、腹膜からplasminogenactivatorが産生され、それによつて腹水中のplasmin活性が上昇することが明らかとなつた。
- 1986-05-01
著者
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