IMMUNOLOGY OF THE TROPHOBLAST: TROPHOBLAST-HOST JUNCTION IN THE KIDNEY

概要

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ヒトおよびマウスを始めとするhemochorial placentaでは,妊娠がある時期以上経過すると,トロホブラスト(Tr)と母体接触面に細胞外物質が現われ,それによって両者が分離されることは,我人が既に報告したとおりである.今回は,このような現象が腎被膜下に移植された胞胚より分化発達LたTrと宿主腎組織との間にも見られるか否かについて検討してみた.その結果;移植後7日目迄では,Tr-腎組織間に細胞外物質は現われないが,10日目には,両者間に明らかな細胞外物質が見られた.しかし,この物質の出現時期および量は,同系(isologous)および同種(homologous)移植間で差がなかった.このことは,宿主がdonorの抗原で前感作されている場合でも同じであった.また,より興味があることは,Trが細胞外物質を溶解する事を示すもので,むしろこのような細胞外物質が宿主組織をTrの侵入から防衛していると思われるような所見すら見られた.本論分では,以上の外に,glycocalyxについて著者らの見解を述べるとともに,細胞外物質の産生過程についても言及してみた.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1979-02-01