排卵をめぐる各種ホルモンの動態 -特にElectron Capture Detector 付 Gas Liquid Chromatography による血中 progesterone の動態を中心として-
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概要
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Progesterone が果して, estrogen と同様, ないしは estrogen と拮抗して, 排卵をめぐるホルモン環境形成の場に関与しているか否かを検討する目的で, 排卵期における血中 progesterone, estradiol, 17α hydroxy-progesterone, LH を連続測定し, 特に progesterone と LH の相関性について追求した. 実験対象には, 過去BBTが規則正しい二相性であった婦人3人を選んだ. 血中 progesterone は, Electron capture detector 付 gas liquid chromatography にて測定した. progesterone は, LH peak 前には, 増加を認めず, LH peak の時点でも 1 ng/ml以下であった. そして, LH surge 後, 急激に増加することが認められた. これらの結果から, progesterone は, 血中濃度測定の上からは, 成熟卵胞から分泌されるとの確証は得られなかった. そこで, 成熟卵胞からの progesterone 分泌能の有無を確認する目的で, LH-RH を投与し, LHの増加に対する progesterone, estradiol の動態を追求した. estradiol は, LHに反応して増加することが確かめられたが, progesterone は, 2時間後においても増加が認められなかった. 結果として, 成熟卵胞からの progesterone 分泌は, 僅少であると結論され, 間脳下垂体性腺系の dynamics を調節する因子としては, 弱い存在であることが示唆された. estradiol は, LH surge に一致ないしは, 1日前に著明な増加を示した. 17α hydroxyprogesterone も LH surge に一致した peak を形成することが確かめられた. 月経周期での progesterone は, 黄体期に最高18.8ng/mlであり, 月経発来の時点では, 0.5ng/ml以下の低値であった.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1974-07-01
著者
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