分離した高比重小リンパ球群の移植腫瘍細胞に対する認知と対応
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概要
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Wistar rat に継代移植されている Walker carcinosarcoma 256の細胞を高純度分離し, これを非自己性細胞として, その排除に関与すると考えられる小リンパ球の反応を in vitro で検討したが, その結果 1) Walker carcinosarcoma 256 cell の崩壊像の出現と, 小リンパ球より出された cytoplasmic process の表面膜への付着との間に密接な関係があり, この現象は高比重小リンパ球に多く認められた. そしてそれは腫瘍細胞をもつて感作した場合, 有意に増加を示した. 2) 高比重小リンパ球群に対応する抗血清は, 低比重小リンパ球群に対応する抗血清に比し, 高比重小リンパ球のもつ標的細胞破壊能をより強く低下せしめた. 以上の結果により, 実験腫瘍学の範囲において, 宿主が移植腫瘍細胞を非自己と認知し対応する機構として, 小リンパ球群の意義が確められ, ことに比重の重い小リンパ球群においては, 可成りの特異性をもつて腫瘍細胞に対して破壊能力を示すことが認められた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1973-03-01
著者
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