人およびラット各臓器組織 LDH アイソザイムパターンに対する妊娠の影響に関する研究
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概要
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胎児をとりまく諸臓器組織LDHアイソザイムパターンの変動を追求することにより, 胎生環境の持つ意義の一端を解明する目的で, 成熟婦人および成熟雌ラット諸臓器のLDHアイソザイムパターンが妊娠時と非妊時とでいかに異なるかを検討した.人では子宮, 卵巣のパターンが妊娠中全体として嫌気型の方向へ若千移動しており, またラットでは妊娠中, 肝と卵巣のパターンにLDHV活性比率減少とLDHIV活性比率増加の傾向を認めたが, 人の赤血球と血清のパターンには, 妊, 非娃の差および妊娠暗期による変動を認めなかつた.その他検討し得た限りにおいて人およびラット臓器組織にも妊娠によるパターンの変動を認めたものはなかつた.要するに人では子宮, 卵巣, ラットでは肝, 卵巣のみに若千の変化を認めたにすぎず, 検討した臓器の大半にはほとんど変化を認めなかつた.すなわち母体各臓器組織LDHアイソザイムパターンの妊娠による変化は, 母体と胎児の物質交流を前提として予期したよりもはるかに弱いという印象を受けた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1972-12-01
著者
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