E2蛋白質をターゲットとしたHPV感染症に対する抗ウイルス薬剤開発への基礎的検討(1 子宮頸癌の発生と進展 : その制御を目指して)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Epidemiologic data suggests that the chronic HPV infection is one of main risk factors for the development of cervical cancer, which is the third most common cause of cancer death in women all over the world. In the viral life cycle, the HPV protein E2 can function as both a transcriptional activator and repressor, probably by interaction with cellular transcriptional factors. Integration of human papillomavirus 16 DNA is considered to be a major genetic change in cervical carcinogenesis, and disruption of E2 protein in this process results in the overexpression of E6 and E7 genes. Thus, it is important to evaluate the physical status of HPV 16 E2 gene in cervical dysplasia and cervical cancer. We showed that the E2 gene was in-tact by in situ PCR in cervical dysplasia specimen. The conventional PCR method revealed that the E2 gene was retained in approximately 60-70% in cervical dysplasia and even carcinoma in situ. These data suggested that HPV 16 E2 gene was retained in the most of precancerous lesions of the cervix. We demonstrated the low level of HPV 16 E2 protein stimulatory for trans-activation by the luciferase as-say. Though it is important to elucidate the transcriptional activity of the E2 gene after initial stage of infection, it is difficult to perform experimentally because no propagation system was available for HPV 16. We therefore focused on the cottontail rabbit papillomavirus (CRPV) because CRPV is available and CRPV can infect into cultured cells. We found that low levels of the CRPV E2 protein were stimulatory for trans-activation, whereas high levels were inhibitory. In vitro infection assay by CRPV, we demonstrated that E2 protein was working as a transactivator after infection, suggesting that low levels of E2 protein transactivated E6 and E7 genes in the initial stage of infection. Thus, the E2 protein is a good target for developing the antiviral drugs. The infection assay may be useful for the identification of compounds which can be used for the inhibition of papillomavirus gene expression. According to this scenario, we aimed at the isolation of peptides that bind to HPV 16 E2 protein and inhibit the transcriptional activity. We screened the phage display library to isolate clones that bind to the HPV 16 E2 protein. These peptides were composed of tryptophan rich amino acids. Those binding specificity to the E2 protein was confirmed by enzyme-linked immunoassay. We have tested the inhibitory effect with synthetic peptides conjugated with FITC by the luciferase assay using the HPV16 E2 expression vector and the reporter vector that contained cognate site of E2 binding sites. At first, we showed these synthetic peptides were expressed in the nuclei of the cultured cells. Pep-2 showed transcriptional repression in a dose dependent manner. The alanine scanning peptide showed no inhibitory transcriptional effect by the luciferaseassay, suggesting that tryptophan rich sequences were associated with protein-protein interaction. In summary, we have isolated peptides that bind to HPV16 E2 protein. Isolated peptides showed the inhibitory effect on the transcriptional activity by the luciferase assay. We showed that tryptophan rich sequences were important for not only the binding to the E2 protein but also the transcriptional activity. The amino acid sequence composed of peptides could be candidates for the basic structure of anti-viral agents in future.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 2002-08-01
著者
関連論文
- P1-208 活性化NF-κBの阻害により卵巣癌細胞株における免疫逃避環境は解除される(Group25 卵巣腫瘍1,一般演題,第62回日本産科婦人科学会学術講演会)
- Y-6 子宮頸部早期浸潤癌に対する腹式radical trachelectomy後の妊娠転帰(周産期学,優秀演題賞候補プログラム,第62回日本産科婦人科学会学術講演会)
- K3-50 NBI(Narrow Band Imaging)システムでの血管像強調が子宮頸部コルポスコピーにおいても有用である(高得点演題17 腫瘍,高得点演題プログラム,第61回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P2-162 子宮頸癌に対する根治的同時化学放射線療法の治療成績(Group63 子宮頸部悪性腫瘍4,一般演題,第62回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P1-207 卵巣癌細胞株におけるPD-L1タンパクの発現解析 : 免疫療法にむけた基盤的研究(Group25 卵巣腫瘍1,一般演題,第62回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P1-174 P16免疫組織化学は子宮頸部上皮内腫瘍の予後推定に有用である(Group21 子宮頸部悪性腫瘍2,一般演題,第62回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P1-18 子宮頸部上皮内腫瘍に対するCO2レーザー蒸散術の治療成績(Group2 子宮頸部悪性腫瘍2,一般演題,第61回日本産科婦人科学会学術講演会)
- K1-2 子宮頸癌細胞株におけるB7タンパクの発現解析 : 免疫療法にむけた基盤的研究(高得点演題1 腫瘍,高得点演題プログラム,第61回日本産科婦人科学会学術講演会)
- 291 子宮頸部細胞診標本におけるp16蛋白質発現とHPV DNA in situ hybridizationの関連性(子宮頸部3(8),一般演題,第46回日本臨床細胞学会秋期大会)
- K3-25 子宮頸がん検診におけるHPVDNAテストと細胞診併用の精度評価(高得点婦人科腫瘍学5,高得点演題プログラム,第60回日本産科婦人科学会学術講演会)
- S2-4 子宮頸癌一次スクリーニングにおけるHPV-DNAテストと細胞診併用の診断精度(子宮頸癌検診システムにおけるHPV-DNA検査の役割, 第48回日本臨床細胞学会総会)
- 20.気管多発乳頭腫の1例(支部会(記録))(第102回 日本気管支学会関東支部会)
- 当院における現状と対応
- Y7-4 子宮頸部小細胞癌のヒトパピローマウイルスによる発癌機構の解析(要望演題7 : 婦人科領域の小細胞癌)
- 369.卵巣癌細胞に発現されるβ1,4-ガラクトース転移酵素の細胞特性に与える影響(卵巣6)(第42回日本臨床細胞学会秋期大会)
- 子宮体癌患者血清中の抗体が認識する癌抗原の同定 : 体癌の免疫療法にむけて
- 192 細胞浮遊液検体を用いた細胞診標本作成法とHPV-DNA検出法の検討(第41回日本臨床細胞学会秋期大会)
- 子宮頸部腫瘍におけるp16蛋白質過剰発現に関する検討(第41回日本臨床細胞学会秋期大会)
- 324 子宮内膜症患者におけるarylhydrocarbon receptor(Ahr)遺伝子多型の検討
- 19 子宮頸部扁平上皮癌および異形成におけるp16INK4aの発現に関する検討
- P1-196 婦人科悪性腫瘍におけるHNF1B (hepatocyte nuclear factor-1β)の発現とその意義に関する検討(Group21 悪性腫瘍全般2,一般演題,第59回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P-241 ヒト子宮内膜におけるアリルスルファターゼの酵素活性の変動とRT-PCR法を用いたmRNAの発現に関する検討
- 重症妊娠中毒症妊婦におけるエンドセリン、CA125同時測定の有用性(一般演題:ポスター)
- 31 ヒトパピローマウイルス16型のE7遺伝子産物に対する血清抗体の検出
- 子宮体癌組織移植SCIDマウス血清を用いたSEREX法による癌抗原の同定(子宮体部3, 第46回日本臨床細胞学会総会(春期大会))
- 子宮頸部腫瘍におけるHPV16型遺伝子組み込み型の解析(子宮頸部2, 第46回日本臨床細胞学会総会(春期大会))
- 19-21.子宮体癌におけるエストロゲン依存性増殖に対する硫酸化・脱硫酸化反応の影響(第90群 子宮体部悪性腫瘍7)(一般演題)
- 子宮体癌由来細胞株におけるエストロゲン硫酸基転移酵素の発現に関する検討
- P-41 子宮体癌におけるエストロゲン硫酸基転移酵素の発現
- 基本手技 骨盤内神経の扱い方--婦人科的立場から (イラストレイテッド 膀胱全摘除術と尿路変向術) -- (手術手技)
- W4-5 当院における若年者の子宮頸部細胞像の検討(若年者の子宮頸部細胞像,ワークショップ4,第46回日本臨床細胞学会秋期大会)
- 広汎性子宮頸部摘出後の妊孕能 (特集 婦人科がんに関する最近の話題)
- 3D画像は婦人科手術の教育ツールになりえるのか? (特集 婦人科がんに関する最近の話題)
- 子宮頸癌と生殖機能温存治療の実際 (特集 妊孕能の可能性と限界を考える)
- 女性の外陰部の診察 (泌尿器科検査のここがポイント) -- (身体診察)
- 広汎性子宮頸部摘出術(radical trachelectomy) (特集 妊娠を考慮した子宮頸部初期病変への対応)
- CIN局所療法の選択とその適応について (特集 産婦人科診療--pros and cons) -- (婦人科腫瘍)
- 広汎性子宮頸部摘出術の適応と限界 (特集 QOLを考慮した婦人科がん治療) -- (妊孕能温存)
- 子宮頸がんと妊娠 (子宮頸がんの最新治療とケア)
- 子宮頸癌合併妊娠 (特集 婦人科的基礎疾患を合併する妊娠・分娩の対応とその問題点)
- 妊娠と子宮頸部細胞診 (今月の主題 妊娠と臨床検査)
- 腹式広汎性子宮頸部摘出術
- P-310 術前に上皮内腺癌の診断は可能か : CIN3で蒸散術を適応する上での問題点(子宮頸部(14),グローバル時代の細胞診,第47回日本臨床細胞学会秋期大会)
- 147 子宮頸部初期腺癌の細胞像(子宮頸部1)
- 子宮頸部小細胞癌におけるヒトパピローマウイルス感染の解析
- ハイリスク型HPV感染陽性の子宮頸部扁平上皮系病変におけるp16^INK4a過剰発現に関する検討(第3群 子宮頸部悪性腫瘍3)
- 66 子宮体内膜細胞におけるWntシグナルに対する性ホルモンの影響の検討
- 21. 卵巣癌におけるムチン性糖鎖抗原の免疫組織化学的解析 : 5種のモノクローナル抗体の異同を中心に(卵巣I)(第32回日本臨床細胞学会総会)
- 広汎性子宮頸部摘出術(radical trachelectomy) (今月の臨床 子宮頸癌の治療--現状と展望)
- 妊娠を合併した場合の取り扱い (特集 子宮頸部初期病変の取り扱い)
- 晩期有害事象 (特集 婦人科がん診療のリスクマネージメント) -- (放射線療法の問題点)
- 広汎性子宮頸部摘出術 (特集 婦人科がん診療のリスクマネージメント) -- (手術療法の問題点)
- O-42 子宮頸部細胞診におけるHuman papillomavirus18型感染細胞の特徴はあるか?(子宮頸部3, 第48回日本臨床細胞学会総会)
- S5-3 ベセスダシステム2001の報告様式 : ASC-US,ASC-Hの細胞像と臨床的意義(ベセスダシステムに基づくLiquid Based Cytology (LBC)の判定の実際, 第48回日本臨床細胞学会総会)
- P-199 子宮頸部細胞診におけるP16INK4a蛋白質過剰発現に関する検討(婦人科(子宮頸部)-(15),一般演題・示説,第45回 日本臨床細胞学会秋期大会)
- 卵巣腫瘍で腹腔鏡下手術を施行し、境界悪性腫瘍と診断された症例の術前MRI評価について
- 子宮頸がんリスクに関する環境因子 (特集 知っておきたい婦人科がんのリスク)
- 頸部腫瘍 子宮頸上皮内癌 (子宮疾患・子宮内膜症の臨床--基礎・臨床研究のアップデート) -- (腫瘍性疾患)
- O-60 p16蛋白質過剰発現を指標とした子宮頸部異形成患者のフォローアップ(子宮頸部4,一般演題・口演,第47回日本臨床細胞学会総会(春期大会))
- S2-3 子宮頸部細胞診とHPV感染との関わりからみたMolecular Cytology(液状細胞診とMolecular Cytologyの現状と今後の展望,シンポジウム 2,第47回日本臨床細胞学会総会(春期大会))
- 子宮頸部腫瘍細胞診におけるp16INK4aの発現に関する検討(子宮頸部1-(5), 第44回日本臨床細胞学会秋期大会)
- HPV感染を指標とした子宮頸部腺癌におけるp16INK4a蛋白質の過剰発現に関する検討
- 309 子宮内膜増殖期におけるWntシグナル活性化とその調節機構に関する検討
- 7 パピローマウイルスE2蛋白質のウイルス転写機能に関する解析
- 子宮頸部腺異形成〜上皮内腺癌の細胞診
- P-290 新規ビンカアルカロイド・コノフィリンの子宮体癌における抗腫瘍効果に関する検討
- 悪性 子宮頸部円錐切除術 (産婦人科手術療法マニュアル) -- (婦人科手術)
- 子宮頸癌1b-2b期 (特集 産婦人科診療Data Book)
- 有用なので比較的に適応範囲を広くしている (特集 婦人科悪性腫瘍の術前診断(がんの局在,局所的および遠隔転移)のピットホール) -- (子宮頸部0期がん・初期がんの診断に円錐切除は有用か)
- 子宮頸がん検診におけるHPV検査の有用性 (特集 婦人科がん治療周辺領域の進歩) -- (細胞診断)
- 488 卵管、子宮内膜、頸管における糖脂質の性周期に伴う組成及び構造の変化
- 126.低分化型子宮体部腺癌に対するモノクローナル抗体の作製(癌遺伝子・細胞化学, 示説演題, 第29回日本臨床細胞学会秋季大会学術講演会)
- 子宮頸癌に対する広汎性子宮頸部摘出術 (特集 婦人科がん妊孕性・卵巣機能温存治療と妊娠・分娩)
- 子宮頸癌の治療と生殖医療の役割 (特集 生殖医療と周辺領域との関わり) -- (腫瘍)
- かかりつけ医から専門医への質問 浸潤子宮頸がんに対して妊孕能を温存する手術があるのですか? (患者・家族の相談に応える がん診療サポートガイド) -- (子宮頸がん)
- E2蛋白質をターゲットとしたHPV感染症に対する抗ウイルス薬剤開発への基礎的検討(1 子宮頸癌の発生と進展 : その制御を目指して)
- P-32 子宮頚部腺癌におけるp16蛋白質の異常発現に関する検討(腫瘍,一般演題(示説発表),第42回 日本組織細胞化学会総会・学術集会)
- E2蛋白質をターゲットとしたHPV感染症に対する抗ウイルス薬剤開発への基礎的検討(子宮頸癌の発生と進展 : その制御を目指して)
- 12 細胞診検体を用いた子宮頚部腫瘍患者におけるヒトパピローマウイルス16型mRNAの発現の検討
- 8 子宮頚部腺癌におけるp16蛋白質の発現に関する検討
- P2-19-19 卵巣癌においてNF-κB活性化はIL6を介して免疫抑制を誘導し,その抑制状態はNF-κB阻害剤により解除される(Group110 悪性卵巣腫瘍・基礎1,一般演題,第63回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P2-10-17 子宮頸部上皮内病変における局所免疫応答の解析(Group85 子宮頸部腫瘍・基礎,一般演題,第63回日本産科婦人科学会学術講演会)
- Y-5 腹式広汎性子宮頸部摘出術の治療成績と妊娠予後(腫瘍,優秀演題賞候補プログラム,第63回日本産科婦人科学会学術講演会)
- K-11 SEREX法により同定された癌抗原MYEOV(myeloma overexpressed gene)の発現は子宮体癌において予後と相関する(高得点演題3 腫瘍,第63回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P2-9-22 子宮頸部発癌の宿主要因としてのHLA遺伝子多型の解析 : 第一報(Group83 子宮頸部腫瘍HPV2,一般演題,第63回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P2-9-17 ヒトパピローマウイルスのタイプとCIN3への進展リスク(Group82 子宮頸部腫瘍HPV1,一般演題,第63回日本産科婦人科学会学術講演会)
- 子宮頸癌をめぐる最近の話題 (特集 これだけは知っておきたい 子宮頸癌の診断・治療と予防)
- 子宮頸がん検診におけるベセスダシステム2001導入に向けた取り組みと課題
- 2)慎重適用の立場に立って((1)子宮頸癌に対するRadical Trachelectomy,1)腫瘍,1.クリニカルディベート,生涯研修プログラム,第63回日本産科婦人科学会学術講演会)
- 腹腔鏡下に一期的に切除した境界悪性漿液性傍卵巣腫瘍と副腎皮質癌の一例
- 子宮頸癌の発癌機構
- 当院における腹式広汎性子宮頸部摘出術の経験と工夫
- 細胞診の免疫染色と治療応用(F.病理診断と臨床応用,見るバイオサイエンス-基礎から最先端技術まで)
- 広汎性子宮頸部摘出術 (特集 婦人科悪性腫瘍の診断治療アップデート) -- (子宮頸がん)
- イラストでみる産婦人科診療(第4回)手術に役立つ骨盤臨床解剖 : 血管編
- 細胞診のメリット・デメリット
- イラストでみる産婦人科診療(第5回)手術に役立つ骨盤臨床解剖 : 神経,尿管編
- P3-1-1 子宮頸癌における転写因子HOXD9の発現解析と細胞増殖能に与える影響(Group113 子宮頸部腫瘍・基礎1)
- P3-2-7 卵巣明細胞腺癌においてHNF-1βは腫瘍免疫の抑制に関与する(Group 107 卵巣腫瘍・基礎2,一般演題,公益社団法人日本産科婦人科学会第65回学術講演会)
- P1-1-4 悪性腫瘍のリンパ節転移モデルを用いたリンパ節内リンパ管新生の機序の解析(Group 1 悪性腫瘍全般・基礎,一般演題,公益社団法人日本産科婦人科学会第65回学術講演会)