ヒト子宮頸癌細胞株SKG-IIとヒト子宮頸管線維芽細胞との細胞間相互作用によるマトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)産生促進と癌細胞の浸潤能の獲得
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概要
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ヒト子宮頸癌細胞株SKG-IIとヒト子宮頸管線維芽細胞との共存培養下での両細胞のプロコラゲナーゼ1(proMMP-1)およびプロストロムライシン1(proMMP-3)産生と浸潤能の変化について検討した.SKG-IIにはproMMP-1およびproMMP-3の産生能は認められないが, ヒト子宮頸管線維芽細胞との共存培養により, SKG-IIの細胞数に依存して両酵素の産生促進が認められた.共存培養下での酵素産生細胞を抗MMP-3抗体を使用した免疫染色により検討すると, その産生はヒト子宮頸管線維芽細胞においてのみ観察された.培養ヒト子宮頸管線維芽細胞にSKG-IIの培養液上清(conditioned medium=CM)を添加することにより, CMの濃度に依存したproMMP-1およびproMMP-3の産生促進が認められた.マトリゲルを用いたインベージョン解析において浸潤細胞数は, 各細胞の単独培養に比較し, 48hr後で2.4倍(p<0.05), 72hr後で2.9倍(p<0.05)に増加した.このときMMPsのインヒビターであるTIMP-1およびhydroxamate誘導体を共存させると, 浸潤細胞数はインヒビターを添加しない場合に比べ最大70%(p<0.001)抑制された.以上の成績より, 浸潤能の低いSKG-IIは, 自ら産生する液性因子を介した細胞間相互作用によりヒト子宮頸管線維芽細胞のproMMP-1およびproMMP-3産生を促進させる結果, 自らの浸潤能を促進することが明らかとなった.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 2001-01-01
著者
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