ウシ卵巣白膜コラーゲンと酸性グリコサミノグリカンの周期的変動に関する研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
性周期により変化する卵胞壁結合組織代謝および排卵後の stigma 修復機序を, マトリックス・レベルから明らかにする目的で, ウシ卵巣の小, 大卵胞頂部および黄体被覆部白膜におけるコラーゲンとグリコサミノグリカン (GAG) の動態を組織化学, 生化学的に検討し, 以下の成績を得た. (1) 大卵胞頂部白膜では組織化学的にコラーゲン線維の粗鬆化が観察され, 生化学的にコラーゲン量の指標となるハイドロキシプロリン量は対照部の43%と有意な減少を示した. (2) 白膜総 GAG 量は組織化学, 生化学的ともに対照部, 小卵胞頂部, 大卵胞頂部, 黄体被覆部の順に増加傾向を示した. (3) 卵胞壁白膜の主要 GAG 構成成分はデルマタン硫酸 (DS) を主とする硫酸化 GAG である. (4) DS の組成比と濃度は小卵胞頂部 > 大卵胞頂部 > 黄体被覆部と有意に減少した. (5) 排卵後の修復過程にある黄体被覆部白膜では, 周辺部でコラーゲン線維の再生が進行するとともに, 総 GAG 量は他の部位と比較して高い傾向を示した. この総 GAG 量の増加は GAG 構成成分中, ヒアルロン酸 (HA) の増加によることが明らかにされた. 以上の成績より, 排卵前後の卵胞壁および黄体被覆部白膜において, GAG およびその構成成分(とくに DS と HA ) の動態はコラーゲンの崩壊と再生に強く関連していることが明らかとなった.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1990-11-01
著者
関連論文
- P2-461 当医療圏の地域協力体制による産科問題への取り組み(Group164 周産期医療体制,一般演題,第59回日本産婦人科学会学術講演会)
- 138 全国諸施設における骨盤位CPD判定法とその解析 : アンケート調査より
- 83 卵巣チョコレート嚢胞に対するレーザー腹腔鏡療法の検討
- 20 子宮鏡用round tip fiberの検討
- 104. 切開用セラミックチップを用いたYAGレーザー治療の検討
- 457. 発育卵胞頂部白膜のコラーゲンおよび酸性グリコサミノグリカン (GAG) の動態
- 112 軽症子宮内膜症の腹水中Prostaglandin(PG)について : 特に腹腔鏡下YAGレーザー治療において
- 167 接触型チップによるYAGレーザー治療の基礎的検討
- 122 産婦人科領域における電子内視鏡の有用性について
- 359. レーザー内視鏡のための基礎的検討 : 第60群 手術・麻酔 I (357〜363)
- ウシ卵巣白膜コラーゲンと酸性グリコサミノグリカンの周期的変動に関する研究
- 375 卵巣白膜再構築過程における酸性グリコサミノグリカン (GAG) の動態
- 195. ヒト卵巣白膜に存在するAndrogen Binding Protein (ABP) : 第34群 内分泌 VI
- 58. 多嚢胞卵巣(PCO)の被膜に関する研究 : PCOの白膜におけるcollagen, glycosaminoglycansの分布 : 第12群 ***の生理・病理I
- タイトル無し
- タイトル無し
- タイトル無し
- タイトル無し
- タイトル無し
- タイトル無し
- タイトル無し
- タイトル無し
- タイトル無し
- タイトル無し