卵巣悪性腫瘍に対する末梢血幹細胞移植併用大量化学療法 : 多施設共同研究
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概要
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卵巣悪性腫瘍を対象とした末梢血幹細胞移植(PBSCT)併用大量化学療法(HDC)において,PBSC採取のためのフィルグラスチム(G-CSF)併用導入化学療法のレジメンとPBSCの採取法,およびHDCのレジメンやその安全性・有効性を検討する目的で多施設共同研究を行った.導入化学療法のレジメンは治療の意味も込めてシスプラチン(CDDP)50mg/m^2以上,又は,カルボプラチン(CBDCA)300mg/m^2以上を含む多剤併用療法とし,HDCはエトポシド(VP-16)を900mg/m^2に固定し,CBDCAは900mg/m^2(doselevel:I),1,200mg/m^2(同:II),1,500mg/m^2(同:III)と安全性を確認しなからdose-upを図り,手術にて可能な限りの腫瘍摘出後にHDCを行った.PBSC採取は36例に対し70回,HDCは29例に対し32回施行した.PBSC採取ではCDDP+ビラルビシン+シクロホスファミド(CPA),CDDP+エピルビシン+CPA,CDDP+VP-16,CDDP+CPA+VP-16や,それに5-FUを追加したレジメンでCFU-GM(colony forming unit granulocyte macrophage)で5×10^5/kg以上,CD34陽性細胞で5×10^6/kg以上の幹細胞を採取することができた.これを移植してのHDCでは,dose level I,II,IIIのいずれにおいても強い骨髄毒性を呈し,白血球数の推移は移植6日目で最低値300∼400/μlを示したが14日後には正常に回復し,血小板も移植14日後には50,000/μ1にまで回復した.自血球減少に伴う38℃以上の発熱は53.1%にみられたが3日以上の発熱は12.5%にすぎなかった.dose level I,II,IIIの間では骨髄機能の回復には全く差はみられず,その他の合併症(肝・腎)もgrade I以内で重篤なものは全くみられなかった.以上の結果より,CDDPを含む導入化学療法でも十分量の幹細胞採取が可能であり,これを移植してのHDCでも安全性は確立された.しかし,有効性に関しては引き続き検討する余地があると思われた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1999-11-01
著者
-
日浦 昌道
四国がんセンター
-
野田 起一郎
近畿大学医学部産科婦人科学教室
-
西村 隆一郎
兵庫県立がんセンター 婦人科
-
田中 憲一
新潟大学医学部産科婦人科学教室
-
宮本 壮
藤沢順天総合健診センター
-
篠塚 孝男
綾瀬厚生病院
-
波多江 正紀
Japanese Serous Ovarian Cancer Study Group
-
西村 隆一郎
兵庫県立成人病センター産婦人科
-
長谷川 和男
兵庫県立成人病センター産婦人科
-
北條 智
三井記念病院
-
波多江 正紀
鹿児島市立病院
-
藤井 恒夫
藤井クリニック
-
藤井 恒夫
国立病院呉医療センター・中国がんセンター
-
寒河江 悟
札幌医科大学産婦人科
-
工藤 隆一
札幌医科大学産婦人科
-
西村 隆一郎
兵庫源立成人病センター臨床研究部
-
倉田 仁
新潟大学医学部産婦人科学教室
-
村松 俊成
東海大学医学部専門診療学系産婦人科学
-
日浦 昌道
国立病院四国がんセンター
-
寒河江 悟
札幌医科大学医学部産婦人科
-
藤井 恒夫
国立呉病院中国地方がんセンター産婦人科
-
竹内 聡
神戸大学医学部産科婦人科
-
日浦 正道
四国がんセンター産婦人科
-
長谷川 和男
いなみ野病院
-
山本 喜一郎
近畿大学
-
山本 嘉一郎
近畿大学医学部産婦人科学教室
-
宮本 壮
東海大学医学部附属病院産婦人科
-
篠塚 孝男
東海大学医学部附属病院産婦人科
-
野田 起一郎
近畿大学医学部産婦人科
-
田中 憲一
新潟大学医学部産婦人科
-
今城 健二
Pbsct研究会造血器腫瘍分科会
-
江口 勝人
岡山市民病院
-
寒河江 悟
札幌医科大学 産婦人科
-
村松 俊成
東海大学医学部専門診療学系産婦人科
-
波多江 正紀
鹿児島市立病院産婦人科
-
今城 健二
岡山市民病院
-
工藤 隆一
札幌医科大学 医学部 産婦人科学 教室
-
倉田 仁
新潟大学医学部産婦人科
-
宮本 壮
東海大学医学部附属大磯病院 産婦人科
-
宮本 壮
東海大学医学部産婦人科学教室
-
篠塚 孝男
東海大学医学部専門診療学系産婦人科学:東海大学医学部付属大磯病院産婦人科
-
西田 正人
筑波大学医学部産婦人科
-
竹内 聡
国立神戸病院
-
竹内 聡
神戸大学医学部産婦人科
-
小川 一誠
PBSCT研究会造血器腫瘍分科会
-
長谷川 和男
兵庫県立加古川病院
-
野河 孝充
国立病院四国がんセンター産婦人科・臨床研究部
-
赤田 忍
奈良県立医科大学産婦人科学教室
-
北條 智
亀田総合病院産婦人科
-
小川 一誠
愛知がんセンター
-
西村 隆一郎
兵庫県立成人病センター
-
江口 勝人
岡山中央病院産婦人科
-
篠塚 孝男
東海大学 産婦人科
-
西田 正人
筑波大学医学部産婦人科学教室
-
江口 勝人
岡山中央病院 産婦人科
-
日浦 昌道
日本ドキシル研究会
-
山本 嘉一郎
近畿大学医学部堺病院産婦人科
-
山本 嘉一郎
近畿大学医学部付属堺病院産婦人科
-
村松 俊成
東海大学医学部付属病院産婦人科
-
長谷川 和男
兵庫県立成人病センター婦人科
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