性異常例に関する臨床細胞遺伝学的研究
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概要
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昭和42年4月より昭和46年4月まで長崎大学医学部産科婦人科学教室において, 各種先天異常, 性異常, 習慣性流産夫婦, 悪性***腫瘍患者の放射線療法及び化学療法例等について, 主として末梢静脈血白血球の染色体分析を施行してきたが, 本稿では筆者が今までに経験した性異常例及び性染色体異常例25名についての細胞遺伝学的分析結果を報告したい. 原発性無月経例は年令を18才以上と定めた場合14例あるが, このうち性染色体異常をみとめたものは5例あり, 高率に性染色体異常の存在することを知つた. 合併症として, XOの1例に胎児性卵巣癌を, 別の1例に尿崩症をみとめた. ***形成異常例17例のうち原発性無月経例と重複するものが8例あり, 半陰陽6例では女性半陰陽3例, 男性半陰陽3例であつた. 性染色体異常例は8例を経験し, そのうちわけはXO2例, XO/XY 1例, XO/XX/XXX 1例, XXY 3例, および XXXXX 1例であつた. この8例について性染色質出現数と性染色体構成との関係をみたが, Lyon (1962年) の仮説を満足させる結果を得た.
- 1973-02-01