性Steroids或は網内系B10ckadeのラット胎盤およびリンパ組織の組織呼吸に及ぼす影響
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概要
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絨毛上皮腫 (以下絨腫と略) は胞状奇胎 (奇胎と略) や破壊性奇胎 (以下破奇と略) に続発することが極めて大であることから, これらの疾患にエスカレートしたものゝ如く考えられているけれども (1) 正常妊娠終了後にも発生する可能性のあること (もっともこの場合, 極く早期の奇胎を見逃しているかも知れないという考え方もある), (2) あらゆる治療に抗して患者を死に到らしめる (ためにたとえ肺転移像がみられても全治したものは絨腫ではなかったとさえいわれる) などの理由から, 奇胎や破奇と異なったものと考えるのが妥当であるように思われる. もっともこれらの疾患が絨毛の異常増殖に原因していることは否めないので, 絨腫の発生には奇胎や破奇と異なった状態下にある宿主Hostを考察する必要があろう. そこで著者は性Steroids投与あるいは網内系Blocadeの, ラット胎盤およびリンパ組織の組織呼吸に及ぼす影響をWarburg検圧計を使用して比較検討した. (1) Estradiolは使用した3つの性Steroidsの中, 組織呼吸に対しては最も促進的で, Progesteronがこれにつぎ, EstriolはむしろEstradiolと拮抗する. (2) 網内系Blockadeの場合は, 胎盤のQO_2-Uptakeは最も促進されていた. 以上からこの面に於ては, 胎盤と網内系とは逆関係にあるものとみなされる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1968-05-01
著者
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