非妊および妊娠婦人におけるProgesterone投与後の尿中Steroidsの変動に関する研究
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概要
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progesteroneはkey metaboliteとして, 種々のステロイドに代謝すると言われている. しかしin vivoにおける代謝は複雑で, 主要代謝産物であるpregnanediol以外のステロイドへの代謝についての報告は少なく, その成績も一致をみていない. そこで著者は投与したprogesteroneのin vivoにおける代謝を検討するため, progesterone投与前後の尿を材料として, 尿中に排泄されたステロイド, とくにpregnanediol androgenic steroidsとの変動を分析して次のごとき成績を得た. 1)progesterone投与後の尿中pregnanediol値は投与後第2日目まで推計学的に有意の差をもつて増加した. 2)尿中pregnanediol値の増加する割合は非妊時より妊娠時に著明であつた. すなわちprogesteroneを投与して増加する尿中pregnanediol値の割合は非妊時の平均が投与量の9.5%で, 妊娠時の平均が投与量の14.8%であつた. 3)progesterone投与後の非妊および妊娠時の尿中17-KS値も投与後第2日目まで推計学的に有意の差をもつて増加した. 17-KS分画測定によりandrosteroneとetiocholanolone分画の相対的増加が主体をなしていることをみとめた. さらにprogesterone投与後の尿中中性分画のgas liquid chromatography測定の結果progesteroneを投与後に尿中に増加するandrogenic steroidはandrosteroneであると結論した. 4)^3H-progesterone投与後3日間の尿中総放射能は投与した放射能の35.5±9.9%であり, 3日間の尿中放射性ステロイドの分画値は, 非ketone分画は23.0±7.1%, ketone分画は3.3±0.3%であつた. その他の分画値は平均値で, 酸性分画が0.8%, 水溶性分画が1.3%, phenol分画が1.5%であつた.
- 1970-10-01
著者
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