妊娠個体の必須脂酸代謝に関する実験的研究 : 第1編 母体血血清における必須脂酸代謝について
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概要
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妊娠時の必須脂酸代謝および胎児に対する栄養学的意義を追求すべく本実験を行つた.すなわち必須脂酸に富む脂質を母体に負荷し,その際の母血清における必須脂酸量の変動を検討した.その結果妊娠時は非妊時に比し,必須脂酸を大量に保有しており,しかも妊娠時期を追つて増加している.母体に脂質を負荷するとその増加率は妊娠時期がすすむにつれて著明となり,とくに妊娠末期におけるアラキドン酸の増加率は大きい.晩期妊娠中毒症においては,正常妊娠末期に比しリノール酸含量は多く,アラキドン酸含量は少ない.しかも脂質負荷により,リノール酸,アラキドン酸ともに増量するが,その増加率は両者とも,なかんずくアラキドン酸において低くなつている。以上により少なくとも正常妊娠時には必須脂酸の代謝は障害されておらず,負荷脂質中のリノール酸はより効率の高いアラキドン酸に活発に転化していることかわかつた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1967-01-01
著者
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