超音波子宮内膜像の変化と卵巣ホルモン動態との関連性に関する研究

元データ 1987-10-01 社団法人日本産科婦人科学会

概要

自然排卵周期を有する不妊症患者67例および健康な婦人5例を対象として, セクタ型電子スキャンを用いて子宮内膜像を観察し, 血中estradiol(E_2), progesterone(P)との関係を検討した.1) 観察された子宮内膜像は, 階調性コンパウンドスキャンによるSakamotoの分類に準じて, 四つのパターンに分類された.パターン1は線状のcavity echoと薄い子宮内膜のみが観察される像, パターン2はhypoechoicな厚い子宮内膜と境界echoが観察される像, パターン3は境界echoが厚くechogenicである像, パターン4は子宮内膜全体がechogenicな像を示した. 2) 子宮内膜像のそれぞれのパターンは, 一定のホルモンレベルと対応した.パターン1では, E_2は100pg/ml未満, Pは1ng/ml未満と, ともに低値であった.パターン2では, E_2は273.1±113.6pg/mlと高値を示し, パターン1に比べ有意に高かった(p<0.01).このパターンはE_2 surgeにともなって, day-4からday0(排卵日)の間に高頻度に観察された.パターン3は, Pの上昇を認めたday0からday+3の間, 短期間に観察され, 排卵直後の所見と思われた.パターン4では, Pは12.1±5.1ng/mlと高値を示し, パターン1, 2に比べ有意に高かった(p<0.01).このパターンはPの増加にともなってday+4からday+8の間に高頻度に観察され, 分泌期中期の子宮内膜の所見と思われた.3) 分泌期中期の子宮内膜で, パターン4を示さず, 異常パターンを示した12例は, Pが6.3±1.9ng/mlで, パターン4に比べ有意に低く(p<0.05), 黄体機能不全が疑われた.以上より, 自然排卵周期において, 超音波子宮内膜像に見られる個々のパターンは, 卵巣ホルモン動態を反映していることが明らかとなった.

著者

中野 仁雄 九州大学医学医学研究科生殖病態生理学
中村 元一 九州大
石 明寛 九州大学医学部婦人科学産科学教室
吉満 陽孝 九州大学医学部婦人科学産科学教室
中村 元一 九州大学医学部婦人科学産科学教室
井村 睦規 九州大学医学部婦人科学産科学教室
松口 博之 九州大学医学部婦人科学産科学教室
浜田 政雄 九州大学医学部婦人科学産科学教室
浜田 政雄 九州大
吉満 陽孝 福岡大
松口 博之 九州大

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