前期破水に対するampicillin予防投与の有効性に関する検討 : 多施設共同によるprospective randomized study
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概要
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目的:前期破水に対するampicillin予防投与の有効性を検討する. 方法:妊娠25週0日〜34週6日の単胎pPROMが対象で,合併症を有する症例,頸管縫縮術施行例とGBS検出例は除外した.入院時に分娩進行,胎児仮死,子宮内感染がなく,文書で同意の得られた症例を予防的薬剤非投与群(1群),投与群(2群)に分けた.2群では抗生剤ampicillin 2g×2を2日間投与した後分娩まで内服投与を行い,子宮収縮抑制剤は主治医の判断で投与した.児の娩出基準は上述の三項目と,妊娠35週以降あるいは肺成熟が確認された場合とした.最終観察項目を延長時間,母体胎盤感染と新生児罹病とした.ノンパラメトリック検定(Mann-Whitney検定),Fisherの直接確率法,Kaplan-Meier法などで統計学的検討を行い5%未満の危険率で有意差ありとした. 成績:平成9年1月から3年間で204例中110例がエントリーされ,1群から尿路感染症のために抗生剤が投与された5例を除き,2群をampicillin投与のみの症例(2a群)と子宮収縮抑制剤が加えられた症例(2b群)に細分した結果,最終的には1群43例,2a群42例,2b群20例となった.2群全体で入院後から分娩まで48時間以上延長した症例は有意に多くみられた.しかしながら,1群(平均31週,1,729g)の成績は,子宮内感染:16%,産褥感染:5%,胎盤感染(Blanc分類II度以上):47%, 5分値Apgar score(<7):5%,臍帯動脈pH7.2未満:9%,呼吸障害:37%,新生児感染7%,死亡0となり,2a群と差はなかった. 結論:今回の研究では,予防的抗生剤投与の有効性が明らかにならなかった。破水後早期の症例を対象とした新たな検討を行う必要がある。
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 2001-04-01
著者
-
池田 敏郎
鹿児島大学医学部付属病院周産母子センター
-
中野 仁雄
九州大学医学医学研究科生殖病態生理学
-
佐藤 昌司
日本早産予防研究会
-
瓦林 達比古
福岡大学医学部産婦人科
-
月森 清巳
九州大
-
松田 義雄
鹿児島市立病院産婦人科
-
中野 仁雄
九州大学医学部附属病院 産科婦人科
-
中野 仁雄
浜の町病院(共済) 産婦人科
-
伊藤 雄二
佐賀医大
-
伊藤 雄二
自治医科大学附属さいたま医療センター産科外来部門
-
増崎 英明
長崎大学医学部産科婦人科学教室
-
牛垣 由美子
鹿児島大学産婦人科
-
佐藤 昌司
九州大学医学部附属病院周産期母子センター
-
河野 哲志
鹿児島市立病院
-
月森 清巳
九州大学医学部婦人科産科
-
牧野 康男
福岡大学医学部産婦人科
-
福田 正信
長崎大学医学部産婦人科
-
庄野 秀明
佐賀医科大学産婦人科
-
伊藤 雄二
佐賀医科大学産婦人科
-
牛垣 由美子
鹿児島大学医学部産婦人科
-
池田 敏郎
鹿児島大学医学部産婦人科
-
池田 敏郎
鹿児島大学 保健
-
佐藤 昌司
九州大学 医短大
-
河野 哲志
鹿児島市立病院産婦人科
-
増崎 英明
長崎大学医学部・歯学部附属病院 産婦人科
-
庄野 秀明
佐賀医科大学医学部附属病院医療情報部
-
月森 清巳
九州大学 婦人科産科
-
松田 義雄
鹿児島市立病院
-
Kazama H
Ntt Serv. Integration Lab. Musashino‐shi Jpn
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