ヒト卵胞の estradiol 産生における、莢膜細胞と顆粒膜細胞の細胞間相互作用についての研究
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概要
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ヒト卵胞のestradiol(E_2)産性における、顆粒膜細胞(G)、莢膜細胞(T)間の細胞間相互作用(cellular interaction)を解明するために、G、T、それぞれの単独細胞単層培養系(G群、T群)と、TとGを混合培養した細胞単層混合培養系(TG混合群)を用いて、それぞれの群のステロイド産生能を比較検討した。 1) ヒト排卵前期(preovulatory phase)卵胞細胞の培養開始後24時間(24h)、48hのE_2産生量では、TG混合群>G群+T群の関係が認められた。 2) Δ_4-androstenedione(Δ_4)産生においては、培養開始後24hで、TG混合群<G群+T群であった。 3) TG混合群は、T群の培養開始後24hの平均Δ_4産生量(1×10^5細胞数あたり)に相当する26ngのΔ_4をG群に添加したG+Δ_4群とT群のE_2産生量の和よりも有意に高値のE_2を産生した。以上の結果より、著者は、細胞単層混合培養系を用いた初めて、E_2産生における細胞間相乗作用(synergism)を明らかにした。また、相乗作用が唯単なるTよりGへのΔ_4供給のみによるものでなく、それ以外にE_2産生を促進させる何らかの因子が卵胞細胞より放出されていることが示唆された。
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1987-07-01
著者
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