ヒト血中非抱合型2-hydroxyestrone, 2-hydroxyestradiol-17βの特異的radioimmunoassayと生理的意義
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概要
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最近カテコールエストロゲンの生理的作用が注目されているが,その作用を解明する上で,血中の測定は重要な意義をもつと思われる.そこで血漿中の非抱合型2-hydroxyestrone(2-OHE_1)と2-hydroxyestradio1-17β(2-OHE_2)の特異的radioimmunoassayを試みた.Ethyl acetateで抽出した試料をshort Sephadex LH-20 columnchromatographyで純化したのち,抗2-OHE_1-17(O-carboxymethyl)oxime-bovine serum albumin血清を用い測定し,次のような結果をえた.1)非放射性カテコールエストロゲンの純化法としてlong Sephadex LH-20 columnchromatographyを用いたが,分離能がよく,また容量が高かった.2)抗血清の交叉反応性は2-OHE_2と26.4%であったが,他のステロイドホルモンとは1%以下であった.3)本法の測定感度は,2-OHE_1,2-OHE_2のいずれの測定においても10pg位であった.両側副腎・卵巣剔出婦人の血漿を用いて測定した本法のblank値は,2-OHE_1,2-OHE_2いずれの測定においても15pg/ml(n=24)以下であった.4)本法のaccuracy及びbetween-assay precisionでの変異係数は,いずれも18%以下であった.5)血漿中非抱合型2-OHE_1値は,健常成熟男子(n=8)と非妊婦(n=13)ではいずれも測定感度以下で,妊婦では妊娠前期で20±8pg/ml(SD,n=7),中期で58±13(n=3),後期で177±66(n=12)であった.なお妊娠後期の9妊婦の血漿中非抱合型E_1/2-OHE_1及びE_2/2-OHE_1 ratioは,それぞれ19.7±11.9(SD),78.0±27.8であった.6)血漿中非抱合型2-OHE_2値は,健常成熟男子(n=8),非妊婦(n=8)並びに妊娠前,中期妊婦(n=10)ではいずれも15pg/ml以下であったが,妊娠後期では15±9pg/ml(SD,n=13)であった.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1982-06-01
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