子宮体がん患者における子宮頸がん検診歴と予後に関する検討

概要

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目的 : 子宮頸がん検診が子宮体がん患者の予後に影響を与えるか杏かについて検討した. 方法 : 1983年1月から1996年6月までに当科にて子宮体がんと診断し, 加療した92例を対象に, 子宮頸がん検診歴を有する群(検診群;56例)と有しない群(非検診群;36例)に分け, 両群間の年齢, 分娩歴, 合併症(肥満, 高血圧, 糖尿病)の有無, 手術進行期, 組織型, 分化度, 脈管侵襲の有無, 受診の契機, 生存率について比較検討を行った. さらに最終子宮頸がん検診日から子宮体がんと診断されるまでの期間と生存率につき比較検討した. 結果 : 年齢, 合併症の有無, 組織型, 分化度, 脈管侵襲の有無, 受診の契機については両群間に差は認めなかったが, 非検診群で未産婦の割合が検診群に比し有意に高率であった(p=0.017). 検診群の累積5年生存率は94.6%と非検診群の値(69.0%)に比し有意に高率であった(p=0.002). 手術を施行した87例を, 子宮頸がん検診歴の有無によって分け, 手術進行期を比較したところ, 検診群ではIa, Ib期55例中45例(81.8%), 非検診群では35例中17例(48.6%)と, 検診群では非検診群に比し有意に早期(Ia, Ib期)の症例が多かった(p=0.002). さらに検診群を, 最終子宮頸がん検診日から子宮体がんと診断されるまでの期間別に累積生存率を比較検討したところ, 検診から子宮体がん発見まで30ヵ月以上経過している群では, 30ヵ月未満の群と比較して生存率が有意に低率となった(p=0.015). 結論 : 子宮頸がん検診歴のある症例, 特に子宮体がんの発見から30ヵ月未満で子宮頸がん検診歴のある症例では, 子宮体がんの予後が良好であることが判明した。
社団法人日本産科婦人科学会の論文
2001-06-01

子宮体がん患者における子宮頸がん検診歴と予後に関する検討

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