子宮内膜癌婦人における内分泌環境, とくにestrogensとandrogensについて
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
子宮内膜癌の内分泌環境を検討するために, 平均体重と平均年齢をそれぞれ一致させた閉経後の子宮内膜癌婦人28例と, 非内膜癌閉経婦人19例を対象に, 末梢静脈血中のestrone (E_1), 17β-estradiol(E_2), Δ^4-androstenedione (Δ^4-A) およびtestosterone (T)を測定した. また, 体重および体重/標準体重(%)と各steroidとの相関についてそれぞれ検討した. 子宮内膜癌婦人においては, insulin分泌能と各steroidとの相関についても検討した. 1) 子宮内膜癌婦人の末梢血中steroid値は, E_1 53.0±29.0pg/ml, E_2 31.3±28.9pg/ml, Δ^4-A 1.92±0.96ng/mlおよびT 0.7l±0.24ng/mlであつた. 非内膜癌婦人では, E_1 51.2±27.5pg/ml, E_2 22.4±10.1pg/ml, Δ^4-A 1.70±0.60ng/mlおよびT 0.84±0.24ng/mlであつた. いずれのsteroid値も, 両群間で差は見られなかつた. 2) 子宮内膜癌婦人および非内膜癌婦人とも, 体重/標準体重(%)とE_1, E_2, Δ^4-AおよびT値とには相関は見られなかつた. 3) 子宮内膜癌婦人では, insulin分泌能と各steroid値との相関をも検討したが, 相関はなかつた. 以上より, 子宮内膜癌婦人では, 非内膜癌婦人に比べて特徴的なE_1, E_2, Δ^4-AおよびTの環境は見られなかつた. 体重/標準体重(%)と各steroid値とには相関は見られなかつた. 子宮内膜癌婦人で, insulinが卵巣間質に直接影響する所見は得られなかった.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1988-06-01
著者
関連論文
- 生命倫理と出生前診断 : 出生前診断・着床前診断から考える
- 33-15.体組織成分(脂肪組織+筋肉組織)が身体各部位の骨塩量(BMD)に及ぼす影響 : 有経女性と閉経女性の相違(第164群 思春期・更年期・老年期6)(一般演題)
- 33-14.加齢や閉経による身体各部位の筋肉量,骨塩量減少の相互の関連性に関する研究(第164群 思春期・更年期・老年期6)(一般演題)
- 30-12.産褥期の異常大量出血に対し子宮動脈塞栓術が有用であった6例について(第148群 妊娠・分娩・産褥期31)(一般演題)
- 30-8.NICUにおける母親に対する心理的サポートに関する研究(第147群 妊娠・分娩・産褥期30)(一般演題)
- 18-33.子宮頚部小細胞癌の治療法に関する検討 : 5自験例から(第87群 子宮頸部悪性腫瘍12)(一般演題)
- 17-26.健常女性における血清グレリン値と身体各部位の脂肪量との関連性(第81群 思春期・更年期・老年期2)(一般演題)
- 17-23.子宮サイズからみたタモキシフェンによるestrogen primingの程度 : 乳癌患者155例での検討(第81群 思春期・更年期・老年期2)(一般演題)
- 7-20.水腫様に変性した有茎性子宮筋腫が原因となったpseudo-Meigs症候群の1例(第31群 子宮筋腫4)(一般演題)
- 7-8.粘膜下筋腫に対する子宮動脈塞栓術の問題点と対応に関する検討(第29群 子宮筋腫2)(一般演題)
- 3-21.子宮体癌における脂肪酸シンターゼ(FAS)発現と臨床病理学的因子の検討(第10群 子宮体部悪性腫瘍3)(一般演題)
- 着床前診断の意義と問題点 (集中講座 生殖遺伝カウンセリング)
- 第17回日本更年期医学会総会・学術集会を終えて
- 母体血漿中の胎児由来DNAの存在頻度 : 断片長による相違(第159群 妊娠・分娩・産褥31)
- 新しい安全なトロッカー挿入法(第113群 その他の良性・悪性腫瘍2)
- 婦人科領域における電子内視鏡技術を応用した新しい細径子宮鏡の有用性(第113群 その他の良性・悪性腫瘍2)
- 閉経による骨塩量(BMD)の低下は体組織成分や体脂肪分布の変化に先行する(第61群 思春期・更年期・老年期6)
- 筋肉と体脂肪組織の骨塩量に及ぼす相対的影響 : 運動の有無による相異(第61群 思春期・更年期・老年期6)
- 腰椎骨塩量(BMD)と末梢のBMDの相関は加齢と伴に強くなる(第61群 思春期・更年期・老年期6)
- 初経年齢がその後の骨塩量(BMD)に及ぼす影響(第60群 思春期・更年期・老年期5)
- 巨大粘膜下子宮筋腫症例に対する治療法の検討 : とくに子宮動脈塞栓術の効果と問題点について(第26群 子宮筋腫5)
- ヒトblastocyst ETの時期と妊娠の関係 : ヒト体外受精卵における検討(第17群 生殖生理・病理3)
- 子宮体癌と脂肪酸合成酵素発現と臨床背景について
- ヒト精子受精能検査試薬FAB-25(アクロビーズテスト)の有用性に関する多施設研究
- 思春期をめぐる諸問題検討小委員会報告 : 特に思春期の月経異常に関して(生殖・内分泌委員会報告)
- 523 術中Echoによる子宮体癌の頸部進展, 筋層浸潤の検索
- Neo Adjuvant Chemotherapy(NAC)が著効しproGRPが治療効果を反映した子宮頚部小細胞癌の一例(第5群 子宮頸部悪性腫瘍5)
- 246 子宮体癌診断における細胞診の問題点(第41回日本臨床細胞学会秋期大会)
- P-315 チョコレート嚢胞と卵巣癌における内壁不整の相違点 : 明細胞腺癌との鑑別診断の有用性に関する検討
- P-73 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)患者の体脂肪分布と筋肉分布の関連性
- 363 子宮内膜波状運動パターンは人工授精における妊孕性に影響を与えるか? : 第二報
- P-379 Medical castrationの体組織成分に及ぼす影響
- P-119 胚盤胞栄養膜細胞生検と免疫組織化学的解析法の開発 : マウス実験モデル
- P-114 透明帯厚と加齢の関係 : ヒト体外受精卵における検討
- 282 筋肉を介したアンドロゲンの骨塩量(BMD)に及ぼす影響
- 55 卵巣明細胞腺癌との鑑別におけるチョコレート嚢腫超音波断層像の月経周期変動の有用性
- P-161 チョコレート嚢胞に対する治療法が卵巣機能におよぼす影響
- 4 子宮頸癌におけるhuman papilloma virus(HPV)感染とp53遺伝子変化およびmurine double minute2(MDM2)遺伝子増幅との関係
- 卵管性不妊症患者におけるクラミジア・トラコマティス抗体の検討 : セロ・イパライザクラミジアIgA, IgG, IgMを用いて
- 65.サイトブラシを用いての子宮癌集団検診の試み(婦人科2 : 集団検診, 示説, 第28回日本臨床細胞学会秋期大会学術集会)
- 19.鹿児島県における子宮癌検診の成績(婦人科6 : 診断, 一般講演・口演, 第30回日本臨床細胞学会総会・学術集会)
- P-249 加齢や閉経が筋肉量, 体脂肪量および体脂肪分布に及ぼす相対的影響
- 420 緑茶摂取による成人T細胞白血病(ATL)発症予防に関する研究 : 第2報
- 70 妊娠中における多周波数生体インピーダンス(MFBIA)による体内水分量測定の意義
- P-432 HTLV-I母子感染における母親側の要因解析 : HTLV-I Taxプロウイルス量と児への感染について
- P-17 日本とボリビアにおける子宮頸癌のHPV感染とHLAアリルに関する民族疫学的研究
- 434 緑茶摂取による成人T細胞白血病(ATL)発症予防に関する研究
- 294 閉経そのものの体脂肪蓄積に及ぼす影響 : 多数例のlongitudinal study
- 225 胎児・胎盤循環における母体血および臍帯動脈血と一酸化窒素(NO)との関連に関する検討
- 184 妊娠中における部位別・多周波数生体インピーダンス(MSBIA)による体内水分量測定の意義
- 165 閉経婦人のアンドロゲン(A)環境や筋肉分布と体脂肪分布との関連性
- 141 男性型(上半身型)体脂肪分布と腰椎骨塩量(BMD)の関係
- P-491 身体各部位の体脂肪畜積量に及ぼす加齢や閉経の影響
- P-96 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)患者の筋肉量と血清androgen値の関連性に関する研究
- 256 加齢および閉経の全身および身体各部位の筋肉量に及ぼす影響
- 137 骨芽細胞におけるレプチンレセプターの発現に関する検討
- P-488 血清レプチンと骨代謝マーカーおよび骨密度との関連性についての検討
- P-176 出産・授乳の橈骨骨塩量に及ぼす長期的影響に関する研究 : 8000例の症例から
- 263 人培養骨芽細胞様細胞におけるテストステロン並びにプロゲステロンの影響に関する検討
- 247 プロゲスチンの骨代謝への影響 : エストロゲンとの併用に関する比較検討
- P-125 人培養骨芽細胞様細胞におけるテストステロンの影響に関する検討
- 432 テストステロンの骨塩量への影響に関する検討-第2報
- P-26 卵巣摘出ラットの骨塩量に及ぼすビタミンK2の骨量減少予防効果について
- 440 HRT長期施行例の骨量推移について : longitudinal study
- P-79 外科的去勢年齢が骨量推移に及ぼす影響に関する検討 : 腰椎骨および橈骨骨量からみた年代別比較検討
- P-95 出産および授乳が骨量に及ぼす長期的な影響に関する研究
- 99 体重減少が骨代謝に及ぼす影響に関する検討
- 493 授乳の骨代謝への影響に関する研究
- P-156 ICSIによるマウス老齢胚発育促進効果について
- P-288 広汎性子宮全摘出術におけるLigaSure Vessel Sealing System装置の有用性に関する検討
- 尿細胞診に腫瘍細胞が出現した晩期再発卵巣癌の1例
- 子宮頸管ポリープに発生した上皮内癌,微小浸潤癌の2例
- 267. 子宮頸管ポリープ合併微小浸潤癌の一例(子宮頸部VIII)(第35回日本臨床細胞学会総会学術集会)
- 201 子宮体部悪性リンパ腫の1例(リンパ・血液VI)(示説演題)(第32回日本臨床細胞学会秋期大会学術集会)
- 61 HTLV-Iキャリア妊婦における児栄養法に関する検討
- 130 マウス胚盤胞における胚生検法の検討
- 129 マウス胚盤胞における透明帯除去が着床率に及ぼす影響
- 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と生活習慣病の関連性 : 体脂肪分布の観点から
- P-338 AIH症例における子宮内膜波状運動と妊孕性の検討
- P-278 着床前遺伝子診断(着床前診断)における割球生検後の胚凍結保存法の検討 : Vitrification法(VT法)と緩速凍結法(SC法)の有用性について
- 386 チョコレート嚢腫における超音波断層像の月経周期による変動 : 明細胞腺癌との鑑別診断の有用性に関する検討
- P-396 妊婦血漿中に存在する胎児由来のDNA頻度に関する検討
- P-357 発生由来解析を行ったPSTTの1症例
- P-416 母体末梢血中における胎児由来有核細胞の存在頻度に関する研究 : 2色FISH法による検討
- P-79 出生前診断が可能であった胎児共存全奇胎の一例
- Amniotic Fluid Index と周産期予後に関する検討
- 236 腟に発生した腺扁平上皮癌の1例
- 235 腟前庭に発生した腺癌の1例
- 23 子宮に再発した悪性リンパ腫の1例
- 18 子宮頚部腺癌の臨床的および細胞診断学的特徴について
- 12 子宮頚部adenoma malignumの1例
- 4年後の腟断端再発にて診断しえた子宮頸部adenoma malignumの1例
- 子宮体癌からの転移性皮膚癌
- 7.子宮腟部円錐切除例における細胞診の有用性の検討 : 子宮頸部II
- 6.子宮頸部腺癌・扁平上皮癌共存型の一例 : 子宮頸部I
- 子宮体部ミュラー管腺肉腫の1例
- 160 再発子宮頸部悪性腺腫の1例(子宮頸部4)(第33回日本臨床細胞学会秋期大会)
- 2. 子宮体部ミュラー氏腺肉腫の1例(子宮体部I)(第35回日本臨床細胞学会総会学術集会)
- 卵巣癌初期治療終了時におけるCA125値と予後
- 多毛と原発性無月経を伴った高インスリン血症の1例