肺成熟度診断のための新しい Microbubble test装置の考案

概要

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胎児の肺成熟を予測するための簡便法の一つである Stable microbubble testに改良を加え, 新しい装置を考案し, これを用いて次の結果を得たので報告する. (1) Stable microbubble testはパスツールピペットを用いてスライドグラス上で6秒間に20回羊水の泡立てを行うが, これを機械的に行い, 泡立て時の人為的個別的なばらつきをなくした. (2) この装置を考案するにあたり, 泡立て部分の針の内径, 間隔, 先端の角度について検討し Pattle et al.の発表した originalの方法と比較した結果, 22 gageの針を8mm間隔で4本立て, 400ml/hで10mlのairを送るのが, stable microbubbleの数が多く, 肺成熟判定時の dynamic rangeを広くとれることが分かつた. この結果から, retrospectiveに考察し肺成熟レベルの判定基準も変更した. (3) 同時に従来からの確立された方法である L/S比, DSPC, PG, Shake testとの正診率の比較も行つた. 正診率は肺成熟レベルを L/S比≧2, DSPC≧1.0mg/dl, PG:TLC二次展開で肉眼的に確認できる時, Shake test≧1/2陽性, Pattle test≧very weak, 改良法≧Range 2とした場合, 改良法97.2%, Pattle test 94.4%, Shaketest 93.1%, L/S比93.1%, PG 86.1%, DSPC 83.3%の順で良かつた. (4) 改良法は, 短時間で肺成熟の判定ができ, Pattle testより泡立てが容易で, しかも Shake test, L/S比より正診率の高い方法である.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1988-05-01

肺成熟度診断のための新しい Microbubble test装置の考案

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