家兎における単一化学物質刺激による過排卵現象
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概要
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間脳・下垂体・卵巣系の生殖部位に作用すると考えられている物質,即ち間脳を刺激するCupric Gluconate,下垂体を刺激するSynthetic Luteinizing Hormone-Releasing Hormone(以下合成LH-RHと略す)および卵巣を刺激するHuman Chorionic Gonadotropin(以下HCGと略す)を使用し排卵現象の研究を行つた.白色成熟雌性家兎(2.7kg〜4.0kg)150頭を用いCupric Gluconate,合成LH-RHおよびHCGを耳静脈に投与し,それぞれの投与量の増加に伴う卵巣の経時的変化を排卵点と血胞を主眼とし観察を試みた. 1. 排卵はHCG投与時では9時間から10時間後に,合成LH-RHおよびCupric Gluconate投与時では11時間から12時間後に認められ,間脳・下垂体刺激のときと卵巣刺激のときとで時間的に差のあることが確認された. 2. HCG単独投与の時には,HCG 250IU投与以上になると投与後24時間目以降に過排卵現象が認められた.投与量の増加や時間的推移に伴い過排卵数は軽度の増加傾向を示すと共に,卵巣の血胞数は著明な増加をみた. 3. 合成LH-RH投与では最高11個の排卵が認められた.しかし投与量を増しても,また経時的に観察しても著変は認められなかつた. 4. 合成LH-RHとHCGのそれぞれの単独投与では排卵々胞数に上限界のあることが推察され,顕著な過排卵現象を誘発することは不可能である.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1976-05-01
著者
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