不妊治療がハイリスク児発生に及ぼす影響

概要

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不妊治療後妊娠571例について, アンケート結果に基づき検討した. 多胎妊娠は83例(14.5%)であり, 内訳は双胎67例, 品胎16例であった. 早産発生率は571例中76例(13.3%)であり, 内訳は単胎45例, 双胎19例, 品胎12例であった. 多胎83例の治療法別分類では, 排卵誘発によるものが33例, AIH22例, IVF25例であった. 早産76例の治療法別分類では, 排卵誘発32例, AIH26例, IVF14例であった. 移植卵数と多胎の発生では, 4個以上の胚移植で双胎16例と品胎6例が発生した. 移植卵数1〜3個の症例では双胎4例, 品胎はなかった. 低出生体重児(体重2,500g未満)は571例中112例(19.6%)であった. 不妊治療後単胎妊娠の早産率は449例中40例(8.9%), 低出生体重児出生率は58例(12.9%), 新生児死亡率は2例(0.45%)であった. 以上より不妊治療後妊娠, 分娩は多胎および早産が多く, その結果低出生体重児出生, 児の後障害などのハイリスク妊娠となる可能性がある. また不妊治療後妊娠は単胎妊娠であってもその予後は無治療妊娠に比較して不良であることが示された.
1994-12-01