Direct immunobead testによる抗精子抗体検出の臨床的意義に関する検討
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概要
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Immunobead test (IBT)による抗精子抗体検出法の臨床的意義を明らかにすることを目的とした. 290例の不妊男子を対象に, IgG・IgAによるDirect immunobead testを実施し, 精子付着抗精子抗体を検出した. また同時に一般精液検査, computer assisted semen analyzerによる計測などを施行し, 内分泌検査や妊娠歴・妊娠予後と比較した. その結果, 以下のことが明らかになつた. 1) 290例中, Immunobead(IB)付着率が20%以上の症例はIgGは42例(14.5%), IgAは27例(9.3%)であり, IB付着率が50%以上の症例はIgGについては21例(7.2%), IgAについては10例(3.4%)であった. 2) 妊娠症例(妊娠既往および受診後妊娠のあるもの)は, IgG-IB付着率が60%以下でIgA-IB付着率が40%以下の症例に限られており, 精子付着抗精子抗体が男性側の不妊の原因となることが示唆された. 3) IgG-IgAともにIB付着率40%未満の精子頭部への付着は不妊の原因にならないものと考えられた. 4) IgAよりもIgGの方が, IBの付着を認める症例が多く, 個々の症例でのIB付着率もIgGがほぼ上回つていた. 5) IgG付着部位はIgA付着部位より広範囲に認められ, IgA付着部位はIgG付着部位に含まれていた. 6) IB付着症例はIB付着率にかかわらず, IB未付着症例との間に, 精液所見, ホルモン値, ペネトラックテスト^<(R)>に有意差を認めず, IBの付着症例を既存の一般精子検査で推定することは不可能であった.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1992-07-01
著者
-
塩田 恭子
虎の門病院産婦人科
-
伊豆田 誠人
虎の門病院産婦人科
-
佐藤 孝道
虎の門病院産婦人科
-
高橋 敬一
虎の門病院産婦人科
-
東梅 久子
虎の門病院産婦人科
-
児島 孝久
虎の門病院産婦人科
-
小川 恵吾
虎の門病院産婦人科
-
塩田 恭子
虎の門病院(共済)
-
高橋 敬一
不妊・微量元素研究会
-
小川 恵吾
虎の門病院(共済)
-
伊豆田 誠人
虎の門病院
-
児島 孝久
虎の門病院呼吸器科
-
佐藤 孝道
虎の門病院
-
東梅 久子
虎の門病院
-
東梅 久子
虎の門病院(共済)
-
東海 久子
虎の門病院(共済)
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