持続的な光刺激に伴うメラトニンおよび下垂体ホルモン分泌の変化
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概要
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我々は不規則な月経を訴える婦人の割合を職種別に検討し, 月経周期の恒常性に対して夜間勤務が大きな影響を及ぼしていることを既に報告した. 今回は夜間就労時の持続的な照明(光刺激)がホルモン環境に及ぼす影響を観察する目的で, 17時30分より22時まで(N=27)あるいは2時まで(N=17)通常の作業環境下(500〜800ルクス)で光刺激を受けた女性のメラトニン(MLT), プロラクチン(PRL), LHおよびFSHの血中濃度を測定した. 持続的な光刺激を受けた女性の22時および2時の血中MLT濃度は18.8±2.4(Mean±S.E.), 36.1±4.1pg/mlであり, 21時以降暗闇で安静を保っていた対照女性(N=9)のMLT濃度(22時54.1±9.4, 2時101.4±9.9pg/ml)より有意に(p<0.01)低値を示した. また, 持続的な光刺激を受けた結果覚醒していた女性のPRL濃度は対照女性に比し2時には有意に(p<0.01)低値を(8.7±0.7 vs. 13.2±0.9ng/ml)示した. 一方, 持続して光刺激を受けた女性のFSH濃度は対照と比較して2時には有意に(p<0.05)高値を(7.1±0.4 vs. 5.8±0.4mIU/ml)示した. なお, 血中LH濃度は22時および2時ともに夜間の光刺激あるいは覚醒状態の影響を認めることはできなかった. 持続的な光刺激と光刺激に伴う覚醒状態によりMLTおよびPRL分泌は抑制され, FSH分泌は促進されることより, 夜間労働はこれらのホルモンの日内リズムに影響を及ぼす可能性を示した.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1991-05-01
著者
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