NSTのReactivity判定基準についてのコンピュータシミュレーションによる基礎的検討

概要

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NST(non-stress test)の「reactivity」に関する種々の診断基準について, コンピュータのシミュレーションデータを使い, 感度, 特異度, 予測精度について比較検討した. 発生頻度が0.25, 0.5, 1.0, 1.5, 2.0, 2.5, 3.0回/10分となる一過性頻脈をそれぞれ1,000回シミュレートし, Rayburn, Golde, Schifrin et al., Devoe, Brown et al., Flynn et al., Krebs et al., Evertson et al. ら11人の提唱する「reactivity」の判定基準に基づいて, それぞれ「reactive」となる割合をみた. 1)最初の観察時間(window幅) 20分に2回以上の一過性頻脈を観察すれば「reactive」と判定し, さもなくばwindowをずらして最大40分の時間帯のなかで「reactive」と判定できるかどうかをみるという最も一般的なGolde et al. の基準では, 感度は80%(一過性頻脈の発生頻度=0.25回/10分の時), 特異度は98%以上(一過性頻脈の発生頻度=2回/10分の時)である. 2)感度, 特異度がともに98%以上と最も優れているのは, Brown et al.の基準であるが, 検査に要する時間が最大2時間もかかるという短所がある. 3)一般的にpredictive value of negative results (「reactive」と判定されて児の予後が良い確率)は極めて高いが, predictive value of positive results (「non-reactive」と判定されて児の予後が悪い確率)はかなり低く, とくに後者はNSTを施行する対象集団に大きく影響を受ける. 対象集団がhigh risk であるほど, 「false positive」は少なくなる.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1990-06-01

NSTのReactivity判定基準についてのコンピュータシミュレーションによる基礎的検討

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