原子核のスピン・アイソスピン応答研究の新たな展開
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概要
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原子核は陽子と中性子というアイソスピン1/2,スピン1/2の粒子のなす有限量子多体系である.この2種類の内部自由度が共に関わる現象は,古くから原子核の探求に重要な役割を担ってきた.その測定には,電荷を変えスピンの向きを変える偏極粒子の荷電交換反応が有効である.最近の実験技術の進歩はこの困難な実験を可能とし,この研究に新たな光を投じた.本稿では,偏極陽子荷電交換反応(p^^→,n^^→)によって新たに測定されたスピン・アイソスピン応答の中で,特に低運動量領域でのべ一タ崩壊で知られるガモフ・テラー遷移のクエンチング問題と,高運動量領域でのパイオン・モードのエンハンスメント問題に焦点を絞り,両者の統一的理解を目指した最近の実験と理論の発展を紹介する.
- 社団法人日本物理学会の論文
- 2001-07-05
著者
-
酒井 英行
東大理
-
酒井 英行
東京大学大学院理学系研究科物理学専攻
-
市村 宗武
法政大情報科学
-
酒井 英行
東京大学大学院理学系研究科
-
市村 宗武
法政大学情報科学部
-
ICHIMURA Munetake
Institute of Physics, Graduate School of Arts and Sciences University of Tokyo : Research Center of Ion Beam Technology, Hosei University
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