下肢筋厚における加齢変化の部位差および性差 : 20歳代と70歳代の比較

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本研究では,20歳代および70歳代の男女を対象に,大腿および下腿の前・後部の筋厚を測定し,それにおける年齢差について部位および性との関連で検討した。その主な結果は以下の通りであった。1)筋厚は,女性の大腿後を除くすべての部位において,男女とも寂齢群が高齢群より有意に高い値を示し,年齢差は大腿前において最も大きく,大腿後において最も小さくあらわれた。一方,下腿における年齢差は,前・後間でほぼ同様なものであった。2)形態における差異の影響をなくすために求めた(体重)^<1/3>に対する筋厚の比(Mt/Wt^<1/3>比)は,男女とも大腿後を除くすべての部位において,若齢群が高齢群より有意に高値を示した。一方,大腿後のMt/Wt^<1/3>比は,男性では年齢差がなく,女性では高齢群が若齢群より有意に高い値を示した。3)若齢群の場合に,筋厚およびMt/Wt^<1/3>比とも男性が女性より有意に高値であり,両性間の相対的な差に部位による違いはみられなかった。一方,高齢群では若齢群より全体的に性差が縮小される傾向にあり,Mt/Wt^<1/3>比には大腿前を除くすべての部位において,有意な男女差は存在しなかった。以上の結果から,1)同一肢内であっても筋厚の加齢変化には部位差が存在し,下肢筋群のなかで,大腿前に位置する筋群は男女とも加齢による低下が最も大きくあらわれ,逆に大腿後に位置する筋群は加齢の影響を受け難い,2)女性では,大腿前筋厚に対する加齢の影響が他の部位におけるそれよりも相対的に強い,と考察した。
2003-08-01

下肢筋厚における加齢変化の部位差および性差 : 20歳代と70歳代の比較

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