看護卒後教育におけるキャリア・アイデンティティの再構築 : 実践的現任教育への試論
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概要
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近年医療現場では、ナースが自らの仕事の意義や自分の価値を見出すことができにくくなってきている。こうしたナースのキャリア・アイデンティティ・クライシスについて、看護者自身の看護実践過程に着目した研究は少ない。本稿では、日本看護協会看護研修学校における「看護実践評価」という科目でグループワークを通して学生が変革して言った過程を、過去の学生のレポートを分析することにより、その教育効果と再度のアイデンティティ構築に至った要因を明らかにし、ナースがキャリア・アイデンティティを獲得するための方策を卒後教育の視点で考察した。看護実践評価の教育方法であるグループワークでは、これまでの自己の無意識の人間関係や考え方が再現されることになり、当初矛盾(ダブルバインド)を起こす。メンバーからの指摘により、その後に自分のこれまでの看護の視点の転換が起こり看護者としての自己の有り様に気づかされる。切磋琢磨しあう学習により自ら変革を起こし、新たな看護アイデンティティが形成される。このことから卒後教育として実施された看護実践評価は、現場で働くナースたちの現任教育のモデルとして活用できる。
- 2005-03-01
著者
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