弁別移行学習における実験教育の効果について
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概要
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本研究の目的は, 1)弁別移行学習の分野へ実験教育を導入して,正刺激の値名をいかにして見つけ出すかという解決ストラテジーについての行為を幼児に教え,同時に, 2) Гальперинらの"知的行為の多段階形成説"の第2段階や第3段階の意義を,この分野において検討することであった。 被験児は,4〜6歳児104名。2×2×4の要因配置--言語による認識能力の2水準(上位・下位),RSとNRSの移行型,教授法I〜IIIと統制群IV--が用いられた。事前テストにおける次元間比較課題の成績で被験児を2水準に分け,その後1週間を経て,2次元2値による弁別移行学習を行った。実験教育は,先行,移行の両学習の間に実施された。その1か月後,フォローアップ・テスト(把持テストと転移テスト)が行われた。 主な結果は次の通りであった。1)教授法IとIIは,上位・下位の両群に対して有意に効果があった。2)教授法IIIは,上位群には有意に効果があったが下位群にはなかった。3)教授法Iは,持続性と転移可能性という点でも効果があった。4)教授法IIは,転移可能性の点で有意な効果はなかったが,持続性という点では効果がないとは必ずしも言えなかった。
- 日本教育心理学会の論文
- 1978-06-30
著者
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