ろう児に適用した算数プログラム学習の効果
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概要
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予備実験結果には,特にとりあげるものもないので本実験の結果についてまとめる。ろう児小学5年生を実験群と統制群に分けた。両群とも算数授業は週6時間であるが,内4時間は両群いつしよに一授業をうける。残り2時間は,実験群は市販プログラムシートで学習し,統制群はドリルに重点をおいた普通授業をうける。まだ,2週間ごとに両群に算数学力テストを行なつたところ,次の結果が得られた。(1)実験群の算数学力ののびは,わずかに統制群より大であったが,有意差は生じなかった。(2)被験者中いくらかの者は中途でプログラム学習から脱落した。(3)実験群はやや文章題と「その他の問題」にすぐれ,統制群はわずかに計算にすぐれたが有意差はなかった。ただし算数用語の記銘においては実験群は有意差で統制群にまさった。(4)実験群では知能下位者の学力ののびが統制群をしのいだ。ただしプログラム学習開始後,両群の知能上位者の学力には有意差を生じなかった。(5)今回のプログラムは,被験者に対し少しステップの巾が大き過ぎる感があった。(6)今回のプログラムは,ドリル学習の面に多少の欠点が感じられた。
- 日本教育心理学会の論文
- 1965-12-31
著者
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