暗算処理における反転問題の表象構造 : プライミング技法を用いての検討
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概要
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本研究では, プライミング技法を用いて, 暗算における反転問題の表象構造を検討した。産出課題と真偽判定課題による実験の結果, a×bの解決に先立ち, 演算数の位置と順序の一致するa×?のプライムが提示された場合が最も反応時間が短かった。また, 順序のみ一致する?×aと位置のみ一致する?×bのプライムが提示された場合, どちらも一致しないb×?のプライムが提示された場合よりも反応時間が短かった。全体的に, 順序の効果は位置よりも大きかった。これらの結果から, 反転問題の表象は独立であり, その独立性は演算数の位置と順序の双方により区分されており, 特に順序が重要であることが明らかになった。
- 日本教育心理学会の論文
- 2005-03-31
著者
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