ニホンザルの遊牧生活高崎山の群れについて
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概要
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About 160〜180 Japanese monkeys (Macaca fuscata fuscata) inhabit as a single group in Takasaki Yama facing the Beppu Bay in Kyusyo. As a problem of their social life, we investigated their nomadism in three times between May, 1950 and May, 1951,The conclusions from our observations are as follows : - (1) The monkeys lead the nomadic life taking their foods during the daytime in their course from one place to another. Ordinarily they are inactive at night. (2) The patterns of nomadism, which concern the range of movement, base, sleeping place, feeding place, path way and its distance per day, speed of locomotion etc., differ in seasons, because different seasons have their own kinds, distribution, productivity, and growth rate of plants which form the staple food of monkeys. (3) A pattern of nomadism remains stable so long as the production of any staple food is maintained. (4) In the shifting period from one stable season to another, the nomadic type becomes irregular and sometimes takes a mixed type of two seasons. (5) When ther food becomes poor in their territorial range, monkeys invade and make damages to the farm at the foot of the mountain. (6) The presence of a predominant male was proved by our observations, who leads and organizes the group in good order. But, to understand the dynamics of nomadism, we can not overlook the cooperative behaviors including their vocal communication and other integrative behaviors between the leader and other members.
- 1954-05-25
著者
-
徳田 喜三郎
和大・学芸
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伊谷 純一郎
神戸学院大学名誉教授
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伊谷 純一郎
京都大学理学部動物学教室
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徳田 喜三郎
和歌山大学学芸部生物学教室
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徳田 喜三郎
和歌山大学学芸学部
-
徳田 喜三郎
光華女子大学
-
伊谷 純一郎
京都大学理学部人類進化論研究室
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