10. 脊髄損傷患者の神経因性膀胱に対する塩酸oxybutynin膀胱内注入療法の検討(第16回日本リハビリテーション医学会中部・東海地方会)

概要

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【目的,対象】脊髄損傷患者の内服コントロールが不良な過活動性膀胱症例5名に対して,塩酸oxybutyninの膀胱内注入療法を施行し,その治療効果,副作用について検討した.【方法】同薬剤1回3〜9mgを生理食塩水に溶解し1日2回膀胱内注入を行った.初回膀胱内注入前後と1〜2週間継続投与後に,Urodynamic study(UDS)を行い,最大膀胱容量,最大膀胱内圧の比較,臨床症状の比較を行った.【結果】両者とも多くの症例で最大膀胱容量の増大,最大膀胱内圧の減少を認め,膀胱蓄尿機能が改善したと考えられた.最終的に尿漏れ症状が軽減した症例は5例中3例であった.1症例では自律神経過反射が消失した.抗コリン剤の副作用も軽減した症例が多くあった.【結語】塩酸oxybutynin膀胱内注入療法は,通常の内服でUDS所見の改善や良好なQOL効果が得られにくい症例に対して念頭に置くべき治療法と考えられた.
社団法人日本リハビリテーション医学会の論文
2005-04-18