Recovering effect of Keishi-bukuryo-gan (Gui-Zhi-Fu-Ling-Wan) on erythrocyte membrane sialidase abnormality in glucocorticoid-induced "oketsu" model mouse

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概要

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糖質コルチコイドを投与して作製した〓血病態モデルマウスにおける赤血球膜シアル酸代謝,及ぴ桂枝茯苓丸の効果について検討を行なった。C3H/HeNマウスにベタメタゾンをl.6mg/kg/dayの用量で7日間,筋肉内投与すると,血漿のトロンビン時間の短縮及ぴフィプリノーゲン量の増加が認められた。また,ベタメタゾンの投与によってガングリオシドを基質としたときの赤血球膜シアリダーゼ活性及ぴ赤血球膜のN-アセチルノイラミン酸含量が有意に増加した。これに対し,マウスにべタメタゾン投与と同時に「〓血」病態の治療に臨床的に用いられている漢方薬である桂枝茯苓丸を2g/kg/dayの用量で7日間,経口投与すると赤血球膜のシアル酸含量,赤血球膜シアリダーゼ活性及び血漿のフィプリノーゲン量はコントロールレベルまで低下した。マウスの赤血球から調製したunsealedホワイトゴースト及ぴsealed inside out vesicleにはガングリオシドを基質としたときのシアリダーゼ活性が認められたのに対し,resealedゴーストは活性を示さなかった。マウスにべタメタゾンを1.6mg/kg/dayの用量で7日問筋肉内投与すると,ホワイトゴースト及ぴresealedゴーストのシアリダーゼ活牲は上昇したのに対し,inside-outvesicleの活性は低下した。ベタメタゾンと同時に桂枝扶苓丸を2g/kg/dayの用量で7日間経口投与すると,べタメタゾンによって上昇したホワイトゴースト及ぴresealedゴーストのシアリダーゼ活性は低下し,低下したinside outvesicleの活性は上昇した。これらの結果より,糖質コルチコイドを投与することによって生じる血液異常の原因のひとつとして赤血球膜のシアル酸代謝の変化が関与している可能性が考えられた。また,桂枝茯苓丸はベタメタゾンによるこれらの作用を改善する効果を有することが示唆された。さらに,通常では赤血球膜の内側にのみ認められる主要シアリダーゼ活性は,ベタメタゾンを投与することによって外側の活性が上昇し,内側の活性が低下するのに対し,桂枝茯苓丸の投与によってべタメタゾンによるシアリダーゼ活性の赤血球膜における局在性の変化が抑制される可能性が示唆された。
和漢医薬学会の論文
2000-12-15

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