人工股関節開発にみる機器デザインと臨床成績 "Yesterday's Successes and Today's Failures"
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概要
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人工関節は20世紀の整形外科が生み出した画期的な成果の一つである. 医学と工学の協力によってはじめて可能になった治療体系であり, リハビリテーション医学分野でも現在広く行われている機器開発の典型例といえよう. 全体としてはすばらしい臨床成績をおさめたといってよいと思われるが, その開発の具体的経緯を詳細に眺めてみると, 光とともに影の部分もあることは否めない. 人工股関節は痛みを改善するだけでなく, 破行も改善し, 外見上装着していることがほとんどわからない. 制限があるとはいえ, ほぼ通常のADL(日常生活動作)を可能とする. ある意味で人工股関節は究極の義肢といえる. 人工股関節は, 義肢とおなじく, 生体(この場合Living Bone)に装着されて初めて機能するにもかかわらず, その設計, あるいは臨床成績から明らかになった間題点の改良は, 機械工学, 材料工学などの工学的観点から行われている. 人工股関節の開発の経緯をみてみると, 工学的発想によるデザイン改良にもかかわらず, 意図した臨床成績の改善がなく失敗に終わった事例がたくさん存在する.
- 社団法人日本リハビリテーション医学会の論文
- 2004-10-18
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