都市自治体における情報機器導入過程の時系列分析
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概要
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日本の自治体において、OA機器(パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ)の導入は1980年代後半になって本格化した。1984年から1993年までの全国673市の汎用機導入台数、パソコン導入台数、ワープロ導入台数他の時系列データをもとにそれぞれの機器導入系列の間に因果的な干渉がみられるのかを交差相関の概念を用いて検証した。その結果、系列問の影響の伝播は87%の市において認められ、自治体の属性および情報化履歴によってそのパターンが異なっていることを示した。組織規模と情報機器装備率の違いによって機器導入台数が拡大するパターンには相違がある。情報化が端緒についた市では汎用機がOA機器の導入拡大に寄与するのに対し、装備の進んだ市ではOA機器と汎用機の相互作用は少なくOA機器同士が互いの拡大に寄与している。情報化における組織の経験は、汎用機からOA機器までの情報化の過程を通じて働き、汎用機での経験がOA化に対してもポジティブな影響を与える段階があることを意味する。しかし更に情報機器の装備が進んだ市ではOA機器は汎用機とは独立して台数が拡大する段階に入る傾向が強い。また、因果的な影響の伝達のパターンを明らかにし、汎用機、ワープロ、パソコンがそれぞれどのような局面で拡大していくのかを検証した。
- 日本社会情報学会の論文
- 1996-09-15
著者
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