Dual immunoniodulating effect of a traditional Japanese medicine,Hachimi-jio-gan (Ba-Wei-Di-Huang-Wan), on Th1/Th2 balance in both the adjuvant-induced Th1- and Th2-predominant immune responses

概要

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フロインドの完全アジュバント(CFA)は,抗原特異的な高IgG2a産生および低lgEの産生を伴い,Thl優位な免疫反応を誘導する。漢方方剤である八昧地黄丸(HMG)を,CFA免疫前1週間および免疫後2週間経口投与すると,CFA免疫マウスの抗原特異的なIgG2a産生が低下し,IgE産生が亢進した。抗原特異的なIFN-γ産生もHMG投与により有意に抑制されたが,IL-4については増加傾向にとどまった。さらに,CD3抗体を用いて,ナイーブT細胞への一次抗原刺激を行った場合のIFN-γおよびIL-4産生は,NK1.1細胞依存的にそれぞれ減少(IFN-γ)と増加(IL-4)を示した。一方,水酸化アルミニウム(alum)は,抗原特異的な高IgE産生と低IgG2a産生を伴い,Th2優位な免疫反応を誘導する。alum免疫後に2週間HMGを投与すると,抗原特異的なIgEの産生抑制が誘導された。抗原特異的なIFN-γ産生はHMG投与により著しく増加した。これらの結果から,HMGは,ナイーブT細胞への一次抗原刺激時に,NK1.1細胞からのIFN-γおよびIL-4産生を介して,アジュバントによって誘導されたTh1およびTh2優位な免疫反応の両方において二面的な調節作用を有することが示唆された。
2003-06-20