The effects of Kampo herbal medicines (Scutellariae Radix, Carthami Flos, Linderae Radix) on the atherosclerosis mouse model introduced with heat shock protein (Hsp) 60 and high cholesterol diet

概要

論文の詳細を見る
動脈硬化の形成過程では免疫関連因子,各種サイトカインやケイモカインが関与している。一方,ストレス蛋白(Heat Shock Proteins. Hsps, Chaperonins)はシャペロンという機序を通して,外来微生物が産生する異種蛋白の発見,毒素の産生,或いは感染による宿主細胞内代謝障害の際における蛋白質の変性や凝集を抑制し,さらには変性蛋白質を修復することにより,蛋白の損傷から細胞を保護する機能を担っていると考えられる。我々はすでにC57BL/6NJcマウスを用いて,Hsp60で免疫すると同時に高脂肪症食を与えることによって,動脈硬化症を誘導することに成功した。今回,このモデルマウスに,黄〓,紅花,烏薬,を投与し,動脈硬化の病理学的変化,体重,血清サイトカインへの影響などを検討した。その結果,対照群に対して,黄〓と紅花を投与した群は有意に体重減少の抑制を認めた。(p<0.05)また,これらの群におけるIFN-γも有意の変化が見られた。さらに,心臓弁膜から大動脈起始部にかけて見られた対照群その他の脂質の沈着も紅花及び烏薬群では20〜60%しか見られなかった。従って,生薬によるHsp60のアジューバンド効果への抑制と同時に,動脈硬化への抑制効果を確認した。
和漢医薬学会の論文
2002-12-20