美術・陶芸・社会人類学の価値観について : 日本の陶芸を人類学的に観察する(<特集>外から見た日本)
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概要
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このエッセイは日本の陶芸の世界をテーマにして, 著者がデパートで開いた自分の個展について語っている。最初の提案から作品の陳列を終えるところまで, フィールドワークを辿りながら, 著者がみた日本の陶芸の世界の有り方を, 明るみに出す。特に目立つ点として, 「美」は純粋な美的価値だけから成り立っているのではなく, 「商品価値」と「社会価値」にも大きく影響されている, と著者は主張する。ここで, 今まで美の世界について論じたマルクス主義者が唱える「美的価値」と「商品価値」の違いを, より一歩進めている。それと同時に, 美術界と人類学者の世界を比較してみると, 作品と価値の関係において大いに似たところがある。つまり, 著者が一般的にみとめられている学問のいわゆる「客観的」な内容に, 疑惑を投げ掛けている。つまり, このエッセイは, 「人類学の人類学」を語っている。
- 日本文化人類学会の論文
- 1989-12-30
著者
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