ノリ葉体の分光消散特性に及ぼす下水処理場放流水の影響
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概要
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Optical data regarding a laver frond may be utilized to gain information about some profiles of its physiological functions. We made comparative measurements of the spectral attenuance of a laver frond for the purpose of determining the extent of influence of effluent from sewage works, synthetic detergent for kitchen use, or sodium hypochlorite upon its physiological activities. On the basis of spectral attenuance pattern of a laver frond obtained by the spectrophotometric measurement, we determined such a sensitive index as follows. φλ=(Eολ-ηλEο750)/Eο750 where Eολ and Eο750 are total attenuances of a laver frond at wavelength λ nm and 750 nm, respectively. ηλ is nearly equal to the ratio of attenuance at λ nm to that at 750 nm of the frond immersed in the 6N-HCl solution. Effluent from sewage works was so low in the extent of influence that the laver frond immersed in dilutions of 1:5 to 1:8 × 10 3 kept spectral attenuances nearly similar to that of the control. It seems that addition of some favourable conditions, such as relatively high levels of nutrient salts and other essential elements, increased the spectral attenuance of the laver frond. The attenuation spectra of the laver frond were greatly affected by a 24 hour immersion in dilutions of synthetic detergent and sodium hypochlorite. It draws our attention that values of φλ/φNλ decreased a little even in a 0.06 Cl mg/l of sodium hipochlorite and in a 1:10 6 dilution of synthetic detergent for kitchen use.ノリの生理活性の強弱は, ノリ細胞内色素, 蛋白質, 炭水化物等の組成,含有量に大きく反映する. したがって, これら細胞物質の組成・含有量の変化画像を把握することにより, 逆に, その活力の強弱を判定することが出来るはずである. ノリ葉体の分光消散特性に視点を合わせ, 下水処理場放流水およびこれと関連する台所用合成洗剤・次亜塩素酸ナトリウムによる養殖ノリへの影響を評価した. 分光光度計によって消散スペクトルを基にして, ノリ葉体の性状を把握するための指標を次式によって表わした. φλ=(Eολ-ηλEο750)/Eο750 EολおよびEο750はそれぞれ波長λおよび750nmにおける葉体の消散度である. ηは6N-HClに浸漬した葉体の750nmの消散度に対する波長λの消散度の比を示す。 下水処理放流水によるノリ葉体の消散スペクトルに及ぼす影響は, 稀釈率1:0.5×10 1〜1:10 1, および1:10 2以下で, ノリの消散スペクトレに良い結果を, 稀釈率1:10 1〜1:10 2の範囲で悪い影響を与える概括的傾向がみられる. この傾向は下水処理場放流水が比較的高濃度の栄養塩類、その他微量要素を含むと同時に阻害物質も含むという多面性によって説明されよう. 阻害物質の一つである合成洗剤では1:10 4以下で, 次亜塩素酸ナトリウムで1mg/l以上の濃度で顕著を影響をみるが, 合成洗剤の稀釈率1:1 6, 次亜塩素酸ナトリウムの約0.06Clmg/lといった, かなり低濃度でも僅少であるが影響が残こる.
- 香川大学の論文
- 1980-10-20
著者
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