イネ品種中国45号およびジャワNo.14のフィリピン産および日本産イネ白葉枯病菌レースに対する抵抗性の遺伝
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概要
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イネ白葉枯病は広く世界の稲作国に分布するイネの最重要病害で,特にアジア各国においてその被害が著しい.本病の防除手段としては抵抗性品種の利用が最も効果的である.イネ白葉枯病については,これまで主として日本とIRRI(国際稲研究所)で別個に研究が進められていたが,判別品種・菌糸ともに共通のものが使われていないため,双方で見出された抵抗性遺伝子の間の異同については不明であり,研究成果の相互比較・検討が直接的には行えない状態であった.したがってイネ白葉枯病抵抗性遺伝子の各々を一つずつもつ準同質遺伝子系統を育成し,これを共通的な基盤として,病原性の分化の研究ならびに抵抗性遺伝子の同定とその育種的活用を推進する必要があった.これらの観点から,日本農林水産省とIRRIは本病抵抗性に関する共同研究を1982年に開始した. まずIRRIで広く用いられている剪葉接種法が抵抗性品種の遺伝分析に有効かどうかを明らかにし,共同研究実施上の共通の研究手法を確立しようとした.つぎに,共同研究下で日本の判別品種の中国45号とジャワNo.14の抵抗性を日本・フィリピン産白葉枯病菌レースを供試して分析した. 日本で剪葉接種法を用いて早稲愛国群およびジャワ群品種を分析した結果,観察による抵抗性・感受性個体の判別結果と両者の実測病斑長とは一致した.このことから,剪葉接種法は抵抗性の遺伝分析にも有効であると結論された.この分析の過程で,上記品種群のうち中国45号,Zenith,姫系16号,Ortiglia,ZenithG713,Amareriyo,X-46,および中系314は早稲愛国3号と同じ遺伝子,Xa-3をもつが,X-43はXa-3と異なる主働遺伝子をもつこと,アキシノモチと中新120号は量的抵抗性遺伝子によってその抵抗性が支配されていることを明らかにした.
- 日本育種学会の論文
- 1990-03-01
著者
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山元 剛
北陸農業試験場
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山元 剛
熱帯農業研究センター
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Khush Gurdev
国際稲研究所
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小川 紹文
九州農試
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Khush G
国際イネ研究所
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小川 紹文
熱帯農業研究センター
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苗 東花
国際稲研究所
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Khush G
International Rice Res. Inst. Manila Phl
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