イチゴカルスへのガンマ線照射が茎葉再分化と再生個体のそう果形成および形態変異に及ぼす影響
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概要
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イチゴ'女峰'のやく由来カルスにガンマ線(^<60>Co)を10 Gy・hr^<-1>で0∿1, 600 Gy照射した場合の, カルスの増殖, 再分化および再生個体のそう果形成および形態変異に及ぼす影響を検討した.カルスの増殖, 再分化は400 Gyでやや抑制され, 800 Gy以上では著しく低下した.再生個体のそう果形成は100 Gyまでは正常であったが, 200 Gy以上では著しく低下した.変異個体率は培養単独で13.7%に対し, 100 Gyで18.6%, 200 Gyで66.0%, 400 Gyで75.7%, 800 Gyで97.0%となり, 照射線量が増加するに従い高くなった.さらに, 変異形質の種類も増える傾向にあった.発生した変異は葉では厚葉, 小葉, 淡葉, 果実では果肉白色, 果実長形が多く認められた.また, 1個体で複数の変異を示すこともあった.いくつかの変異形質はランナーによる栄養繁殖後にも保持されたことから, これらは遺伝的変異の可能性が高い.ガンマ線照射により, カルスからの再生個体の変異が質的・量的に拡大することが明らかとなった.
- 2002-05-15
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