トマトの果実発育に伴う小果柄の二次細胞分裂帯の形成
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概要
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トマトの果実発育期における小果柄の離層の発達経過を解剖学的に調べた.その結果, 果実の直径が1cmの幼果の段階で, 花芽分化時に形成された既存の離層組織(一次分裂組織)の基部側に二次的に分裂した細胞群が認められた.これらの細胞群の形状は小果柄の軸に対して偏平であり, 細胞壁も薄く, 緑熟期に至るまで分裂し続けた.しかし, 完熟期になると分裂を停止して, 細胞壁は肥厚してリグニンが集積した.その一方で, 一次離層組織には細胞質が密に詰まっており, 完熟期になってもリグニンの集積は認められなかった.以上の結果, 花芽分化時に形成された一次離層組織は果実の脱離に関与する分離層としての役割を担い, 幼果の段階で形成された二次的な細胞分裂帯は果実が脱離した後に小果柄の組織を保護するための保護層としての役割を担うと考えられた.
- 園芸学会の論文
- 2000-03-15
著者
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