9種の日本産地生ランの共生発芽に関する予備的報告
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概要
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9種の日本産地生ランについて, 効率的増殖法の開発のため, 完熟種子を用いて共生培養を試みた.Goodyera属3種(Goodyera biflora var. macrantha, G. foliosa var. laevis, G. hachijonesis var. matsumurana)では, 供試した20菌株のうち, Binucleate Rhizoctonia菌群の菌を接種した場合および無菌対照区のいずれもTTC活性を示した胚の割合とほぼ同程度の種子が発芽した.しかし, 発芽後の発育は無菌対照区に比較して共生培養区において優れていた.発芽率がTTCテストの結果を大きく下回った6種は, その原因として供試培養条件の不適合も考えられた.Cypripedium macranthos var. speciosumだけは1系統の菌のみの共生関係が認められたにすぎなかった.残りの5種については, 有効な菌株が多く, Aorchis cyclochila, Dactylorhiza aristata, Gymnadenia camtschaticaの3種の共生種子発芽はBinucleate Rhizoctonia菌群において, Amitostigma kinoshitaeおよびPonerorchis graminifolia var. graminifoliaの2種にはR. repens菌群においてそれぞれ発芽が認められ, 発芽後の発育も良好であった.
- 園芸学会の論文
- 1998-09-15
著者
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冨田 正徳
弘前大農学生命科学部
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冨田 正徳
弘前大学農学部
-
Tomita Masanori
Faculty Of Agriculture Hirosaki University
-
近野 幸子
弘前大学農学生命科学部
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